1996 Fiscal Year Annual Research Report
乳幼児期のダウン症児に対する口蓋プレートと動作法による早期口腔機能訓練法
Project/Area Number |
07672209
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
斎藤 峻 東北大学, 歯学部・附属病院, 助教授 (90005108)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤岡 孝志 山形大学, 教育学部, 助教授 (30199301)
猪狩 和子 東北大学, 歯学部・附属病院, 講師 (90125493)
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Keywords | ダウン症 / 口蓋プレート / 重心動揺 |
Research Abstract |
ダウン症児の弛緩した口唇と舌の突出は単なる形態的特徴を表現しているだけでなく、食物摂取時等の機能的障害を随伴している場合が多い。そこで、乳幼児期のダウン症児に、より早期に口唇と舌に刺激を与えるCastillo-Moralesの口蓋プレートを用いた訓練法を応用すれば、成果が上がることが期待される。また、これらの口腔機能訓練の成否はダウン症児特有の猫背で腰が引け、顎が突出する全身の姿勢の歪みを取り除くことも必要と考え、動作法を併用することとし、それによって安定した咬合と顎位との関連と口蓋プレートとの相乗効果を検定しようとした。Castillo-Moralesの口蓋プレートによる口唇閉鎖不全と舌の突出の改善の頻度や程度の減少が認められたが、個体差があった。動作訓練の成果の評価には重心計を用い、重心の揺らぎから判定した。10秒間の測定時間中安定した立位を保持できない場合が多かったが、重心の揺らぎは訓練後には縮小傾向がみられた。咬合、顎位の安定度はプレスケールを用いて咬合圧の分布から把握しようとしたが、小サイズのプレスケールでも幼児期の小児には大き過ぎた。以上のことから、ダウン症児に対する早期口腔機能訓練は有効であり、動作法との併用によりその効果は増大したことが示唆された。
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