1996 Fiscal Year Annual Research Report
機械的外力により歯根膜線維芽細胞から産生される因子が骨系細胞に与える影響について
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07672215
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Research Institution | Niigata University, School of Dentistry |
Principal Investigator |
斉藤 功 新潟大学, 歯学部・附属病院, 講師 (90205633)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 元夫 新潟大学, 歯学部, 助手 (30282990)
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Keywords | 歯の移動 / メカニカルストレス / 歯根膜線維芽細胞 / カルシトニン遺伝子関連ペプチド / 骨芽細胞 / MC3T3-E1 / 破骨細胞 |
Research Abstract |
矯正治療における歯の移動に際しては、機械的外力に対して歯根膜線維芽細胞が多様な生物化学的応答を示すことが報告され、それに引き続いて生ずる破骨細胞および骨芽細胞による骨の吸収・形成に何らかの影響を及ぼしていると考えられている。本研究では、in vitroの実験系を用いて培養したヒト歯根膜線維芽細胞(HPLF)にメカニカルストレスを加え、その培養上清が骨芽細胞様細胞(MC3T3-E1細胞)にどのような影響を与えているかについて検討した。HPLFは、13-16歳の患者の小臼歯から採取した継代8-12の培養細胞を、また骨芽細胞様細胞としては、継代17-19のMC3T3-E1細胞をそれぞれ実験に用いた。メカニカルストレスは、コンフルエントになったHPLFの細胞層上にカバースリップを置き、その上にガラス製円筒をのせ1.0g/cm^2で加圧した。HPLFをそれぞれ1,3,6,12,24時間加圧した後、conditioned mediumを採取し、stressed conditioned medium(S-CM)とした。一方、加圧実験と同様の条件で培養して加圧を行わずに採取したHPLFのconditioned mediumをnon-stressed conditioned medium(NS-CM)とし、さらに細胞培養していないmediumをcontrol medium(CM)とした。S-CM,NS-CM,CMをそれぞれ6 well dish上でコンフルエントになったMC3T3-E1細胞に添加し、24時間インキュベーションを行った後、ALPase活性およびcAMP産生量を測定した。その結果、S-CMによってMC3T3-E1細胞のALPase活性とcAMP産生量とは、NS-CM,CMを添加した場合と比較して時間依存的に有意に上昇した。このことから、S-CMはMC3T3-E1細胞の細胞分化能ならびに細胞応答性を上昇させていることが明らかとなった。また、Indomethacinを添加することで、S-CMによるMC3T3-E1細胞のALPase活性が有意に抑制されたことから、S-CMによるMC3T3-E1細胞のALPase活性の上昇にはプロスタグランディンが関与していることが示唆された。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 斉藤 功: "歯の移動時における歯根膜神経線維の動態および神経ペプチドの骨代謝への影響" 甲北信越矯正歯科学会雑誌. 3(1). 10-17 (1996)
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[Publications] 花見重幸: "実験的歯の移動時における三又神経節CGRP陽性ニューロンの反応に関する免疫組織化学的研究" 日本矯正歯科学会雑誌. 55(3). 211-222 (1996)
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[Publications] OCHI,Kanako: "Expression of TrKB-like immunoreactirty in non-neural cells of rat periodontal ligament" Archs oral Biol.42(in press). (1997)
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[Publications] KOBAYASHI,Hitoshi: "Ultrastructural localization of growth associated protein-43 (GAP-43) in periodontal Ruffini endings of rat molars during experimental tooth monement" J.Dent.Res.(in press). (1997)
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[Publications] 渡部宏一: "持続的加圧刺激によるヒト歯根膜線維芽細胞からの産生因子が骨芽細胞様細胞(MC3T3-E1)に与える影響について" 日本矯正歯科学会雑誌. 56(印刷中). (1997)
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[Publications] SAITO,Isao: "The Bidogical Mechanisms of Tooth Movement and Craniofacial Adaptation" DAVIDOVITCH,Ze'ev, 623 (1996)