1996 Fiscal Year Annual Research Report
唇顎口蓋裂患者の生下時組織欠損量と成長発育の関係-ワイヤーフレームモデルを用いて-
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07672234
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
柴崎 好伸 昭和大学, 歯学部, 教授 (40014005)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
須澤 徹夫 昭和大学, 歯学部, 助手 (60271285)
平川 崇 昭和大学, 歯学部, 助手 (20266175)
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Keywords | 唇顎口蓋裂 / 生下時組織欠損量 / 成長発育 / ワイヤーフレームモデル / 顎裂幅 |
Research Abstract |
(緒言) 口唇裂口蓋裂は口腔・顎・顔面領域に発生する最も頻度の高い先天異常である。障害の発生原因は先天的な要因と後天的な要因に大別することができる。先天的な要因として、一時口蓋および二次口蓋における実質欠損に起因する上顎の劣成長が考えられる。今回の研究の目的はこの実質欠損に着目しその後の成長発育との関係を探ることにある。 (方法) 研究対象として、初回口唇形成術より全ての治療および管理を本学口蓋裂診療班にて行なっており、診断用の資料の完備が確認された片側性唇顎口蓋裂患者を条件とし53名を抽出した。口唇形成術直前資料は口唇形成術直前の上顎石膏模型を、4歳時資料は矯正科初診時の診断用側面セファログラムを用いた。石膏模型の情報はレーザーデジタイジングシステムによるワイヤーフレームモデルを介して計測を行ない、通法によるセファロ分析と比較した。 (結果) 計測により得られた値から歯槽裂幅径が広い症例において上顎骨の深さに劣成長の傾向を見るものとなった。 (考察) 本研究の目的は歯槽裂幅径によるその後の顎発育の予測である。初回形成術前の裂部の観察により顎発育による症例の難易度が少しでも予測できれば治療に有益であるのは言うまでもない。本研究の結果からも裂部の幅径が広いものほど成長発育が芳ばしくないことが示された。これにより難易度の詳細な予測までは難しいものの、裂部幅径広い症例では顎発育に関わる後天的要因を可及的に好条件に整える等の応用には値するものと結論付けられる。 本研究により得られた以上の結果は第20回日本口蓋裂学会に「片側性唇顎口蓋裂患者の初回口唇形成術時の歯槽裂幅径と顎顔面の成長発育に関する研究」として口頭発表を行なった。更に同研究の一部成果は昭和歯学会誌第16巻3号に発表した「唇顎口蓋裂患者の口腔形態および機能に関する研究」、東京矯正歯科学会誌第6巻1号に発表した「鼻上顎複合体の形態と機能の関係」に報告した。
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Research Products
(2 results)