1995 Fiscal Year Annual Research Report
新規生物活性物質の探索を指向するジテルペン類の多角的合成研究
Project/Area Number |
07672264
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
田中 徹明 大阪大学, 薬学部, 助教授 (40116059)
|
Keywords | アフィディコラン / ステモダン / 不斉合成 / アリルチタニウムトリフェノキシド / 位置選択的開裂 / エポキシド / tricyclo [6.3.1.0^<1.6>] dodec-5-en-6-one / 立体選択的還元 |
Research Abstract |
抗腫瘍活性等、興味ある生物活性を有するジテルペンahidicolane類および非常に類似した骨格を有するstemodane類の構造活性相関的興味から、これらの全合成研究を行なうにあたり、両ジテルペンを共通の中間体から選択的に作り分ける方法を確立することを目的とした.最近見いだしたシクロヘキセノンアセタール誘導体のルイス酸触媒によるスピロ閉環反応の光学活性体合成への応用は、途中の不斉導入の効率の低さから一時断念した。そこで、不斉導入が容易で、かつ両エナンチオマーの入手が確立されている手法、即ちSharplessの不斉エポキシ化を用い、両ジテルペンすべての光学異性体の合成が可能な合成経路の開発を計画した。即ち、合成初期の段階で不斉を導入し、tricyclo [6.3.1.0^<1.6>] dodec-5-en-6-oneの2種のエナンチオマーを合成し、その二重結合の還元方向を制御することにより、aphidicolane型,およびstemodane型B/C/D一環をつくり分ける手法である。シクロヘキシリデンアセテートのDIBAH還元により得られるアリルアルコールを不斉エポキシ化し、水酸基を保護した後、我々が開発したアリルチタニウムトリフェノキシドを用いるアリル化を伴うエポキシドの位置選択的開裂反応により将来スピロ炭素となる四級炭素を構築した。官能基変換の後、C環を立体選択的に構築し、その後、炭素鎖を変換し、B環をアルドール縮合により構築した。B環のエノン部の還元反応を検討したところ、接触還元によりstemodane型B/C/D環を選択的に構築できることが判明した。現在、aphidicolane型B/C/D環を選択的に構築する方法を検討中である。
|