1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07672269
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Research Institution | KYUSHU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
佐々木 茂貴 九州大学, 薬学部, 助教授 (10170672)
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Keywords | 3重鎖DNA / トリプルヘッリクス / 人工核酸 / 認識分子 / アンチジーン / 遺伝子発現制御 |
Research Abstract |
近年、がんをはじめ多くの疾患の原因が遺伝子異常として理解されてきており、変異した遺伝子の認識とその発現の制御は、遺伝子レベルでの新しい創薬手法として発展が期待されている。そのなかでも、1本鎖DNAと2本鎖DNAとの配列特異的な3本鎖DNAの形成により遺伝子発現を阻害するアンチジーン法は、将来、基本的な手法に発展するものと期待されている。しかし、天然DNAでは、2重鎖DNAがホモプリン-ホモピリミジン配列に対しては可能であるが、一般的な配列は2本鎖に対しては形成できないという、本質的な制限がある。そこで本研究では、天然の核酸塩基では3本鎖の形成できない2本鎖DNA配列に対しても3重鎖を形成する人工塩基を開発し、任意の配列での3本鎖形成を実現することを目的とした。 平成7年度にはC-G塩基対に選択的に3重鎖体を形成する人工核酸(1)を設計・合成し、有機溶媒中での分子認識機能の評価を行った。その結果、モデル塩基対を用いた検討によって、1はC-G塩基対と選択的な3重錯体を形成することが確認された。平成8年度は1をオリゴヌクレオチドに組み込み目的で、1のデオキシ体の合成と、固相合成での前駆体の合成を行い、さらにこれを用いてオリゴマー(12mer DNA)の合成に成功した。人工塩基を組み込んだDNAの合成において目的のオリゴマー以外に2種類の構造変異体も単離された。これらの人工塩基を取り込んだ3種類のオリゴマーと、天然DNAとの3重鎖形成を検討したところ、従来3重鎖形成の不可能なサイトとされていた、CGサイトおよびTAサイトで選択的に3重鎖を安定化することが見出された。 以上、本研究により開発された人工塩基は、アンチジーン法の適用範囲を一般的な配列の2本鎖DNAに展開するための重要な、認識分子として極めて有用なものと、期待される。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Nagatsugi,Fumi: "2-Aminopurine Derivaties with C6-Substituted Olefin as Novel Cross-Linking Agents and the Synthesis of the Corresponding b-Phosphoramidite Precursors" Tetrahedron. (印刷中). (1997)
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[Publications] Mizushima,Tohru: "Molecular Design of Inhibvitors of in Vito oriC DNA Replication Based on the Potential to Block the ATP Binding of DnaA Protein" J.Biol.Chem.,. 271(4). 25178-25183, (1996)
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[Publications] Nagatsugi,Fumi: "Design of Cross-Linking Agent for Activation by Metabolic Oxidation" Nucleic Acids,Symp.Ser.35. 79-80 (1996)
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[Publications] Nakashima,Shouji: "The New Artificial Nucleobases for the Selective Formation of the Non-Natural Type Triple Complex with T-A and C-G Base Pairs" Nucleic Acids,Symp.Ser.35. 105-106 (1996)
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[Publications] Sasaki,Shigeki: "A New Application of a Peptide Library to Identify Selective Interaction Between Small Peptides in an Attempt to Develop Recognition Molecules toward Protein Surface" Tetrahedron Lett.37(1). 85-88 (1996)
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[Publications] Sasaki,Shigeki: "Design of a Novel Artificial Nucleobase for the Selective Formation of Triple-Complex with Cytosine-Guanine Base Pair" Tetrahedron Lett.36(52). 9521-9524 (1995)