1995 Fiscal Year Annual Research Report
シトクロムP450化学モデル系によるN-ニトロン化合物の代謝活性化分子機構の解明
Project/Area Number |
07672287
|
Research Institution | Kyoritsu University of Pharmacy |
Principal Investigator |
望月 正隆 共立薬科大学, 薬学部, 教授 (10072414)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
稲見 圭子 共立薬科大学, 薬学部, 助手 (00271247)
石川 さと子 共立薬科大学, 薬学部, 助手 (70223518)
|
Keywords | N-ニトロソジアルキルアミン / シトクロムP450 / 化学モデル系 / ポルフィリン金属錯体 / 酸化剤 / 代謝活性化 / 突然変異原性 / ニトロサミノラジカル |
Research Abstract |
本研究では活性化の代替系としてシトクロムP450化学モデル系を用い、N-ニトロソジアルキルアミンの代謝機構の研究に応用することを目的とした。ポルフィリン金属錯体には脂溶性のテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ポルフィリン鉄錯体(Fe(F_5P)Cl)を用い、酸化剤としてt-ブチルヒドロペルオキシド(t-BuOOH)の存在下、モデル反応系において不安定中間体の捕捉を試み、N-ニトロソジアルキルアミン由来の炭素ラジカル種の生成をESR測定により確認した。この結果は、N-ニトロソジアルキアミンのα-水酸化で、水素引き抜き反応により生じるα位炭素ラジカルをもつニトロサミンを中間体としている可能性を示した。さらに、化学モデル系による代謝活性化を細菌の突然変異原性を指標に検討し、4種の異なる側鎖をもつN-ニトロソジアルキルアミン(アルキル=メチル、エチル、プロピル、ブチル)についてアルキル化剤に感受性の高いS.typhimuriumYG7108に対して強い変異原性を発現した。この変異原性は代謝酵素系での試験と同様、菌濃度の増加および弱酸性条件によって変異原活性が上昇し、N-ニトロソジアルキルアミンの代謝活性化がα-水酸化経由で進行していることを明確にした。さらにFe(F_5P)Cl/t-BuOOHの存在下、フレームシフト型の変異を検出するS.typhimuriumTA1538を用い、発がん物質である2-アミノフルオレン、ベンゾ(a)ピレンおよびトリプトファン熱分解物であるTrp-p-1とTrp-p-2の代謝活性化能を観察したところ、いずれの化合物においても用量に依存して変異原性が発現した。 以上の結果から、ポルフィリン金属錯体/酸化剤によるシトクロムP450の化学モデル系は、代謝研究における反応機構の検討に有用であり、様々な発がん物質への応力が可能である。
|
-
[Publications] E.Okochi, E.Namai K.Ito, M.Mochizuki: "Activation of N-Nitrosodialkylamines to Mutagens by a Metalloporphyrin/oxidant Model System for Cytochrome P450" Biol. Pharm. Bull.18. 49-52 (1995)
-
[Publications] E.Okochi, M.Mochizuki: "Dealkylation of N-Nitrosodibenzyamine by Metalloporphyrin/oxidant Model Systems for Cytochrome P450" Chem. Pharm. Bull.43. 2173-2176 (1995)