1996 Fiscal Year Annual Research Report
膜間抗原蛋白質移行を利用した新規な人口膜ワクチン調製手法の開発
Project/Area Number |
07672311
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Research Institution | TOYAMA MEDICAL AND PHARMACEUTICAL UNIVERSITY |
Principal Investigator |
上野 雅晴 富山医科薬科大学, 薬学部, 教授 (40080197)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 京子 富山医科薬科大学, 医学部, 助手 (60110623)
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Keywords | リポソーム / 抗原蛋白質 / 人口膜ワクチン / インフルエンザウイルス / CVI細胞 / SUV / ζポテンシャル / 表面構造 |
Research Abstract |
1)リポソームサイズの蛋白移行に及ぼす影響 サル腎由来CV1細胞にインフルエンザウイルスを感染させ、膜表面に突出したウイルス蛋白質HA,NAを人口膜(リポソーム)に抽出できることをすでに確認している。抽出効率を高めるために、先ずリポソームのサイズについて検討した。100nm以上の大きなリポソームでは、粒子径の増大に伴って感染細胞からの移行蛋白質が増大した。しかし、非感染細胞からの移行量に変化は認められなかった。100nmより小さいリポソームSUVでは感染、非感染ともに移行量は多かった。これは曲率の大きなSUVでは表面自由エネルギーが高いことに起因すると解釈した。 2)蛋白移行に及ぼす表面荷電の影響 ジセチルリン酸、ステアリン酸を含む負電荷リポソーム、ホスファチジルコリンのみからなるリポソームについて蛋白移行量を検討した結果、ζポテンシャルにほぼ比例的に移行量が増大した。ステアリルアミンを含む正荷電リポソームについても検討した結果、無荷電リポソームよりも移行量が増大したことから、この増大は蛋白-脂質間の静電的相互作用というよりも、脂質間の反発による膜表面構造の変化に起因すると解釈した。 1、2の結果より膜の表面構造が蛋白の移行量を支配する重要な因子の一つであると結論した。
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[Publications] 小暮健太朗,上野雅晴,寺田弘: "DDS技術としてのリポソーム研究の進歩" Fragrance J.24. 66-72 (1996)
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[Publications] K.Kogure. O.Okuda,T.IToh,K.Hayashi,M.Ueno: "Deuelopement of Membrane Fusible Drng Carrier from Erythroyte by the Spondaneous Transfer of Viral Fusion Protein from Influenza Virus-Infected cells" Biol.Pharm.Bull.,. 19(in press). (1996)
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[Publications] K.Kogure. M.Itoh,C.Nakamura.K.Hayashi,M.Ueno: "Progress in Drug Derivery system V ed by S.Hirota" Biomedical Research Foundation (Tokyo), 182 (1996)