1995 Fiscal Year Annual Research Report
疎水性膜修飾炭素電極を用いる脂肪族アミン類の新規電気化学的検出システムの開発
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07672314
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
大森 秀信 大阪大学, 薬学部, 教授 (90028845)
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Keywords | アルカノール修飾炭素電極 / アルカンジオール修飾炭素電極 / フェリシアンイオン / 電気化学検出 / 脂肪族アミン / ドーパミン / アルカリ土類金属 |
Research Abstract |
1-アルカノール中,グラッシーカーボン電極を電気化学的に酸化処理することにより,エーテル結合を介して1-アルカノールにより修飾された炭素電極が作製可能であることを見いだし、この修飾電極の分析化学への応用を目的として研究を行い,以下の知見を得た. 1.電極修飾法としては,0.1M硫酸を含む1-アルカノール中2.0V(vs Ag wire)における定電位電解が,最適であることが示された.2.本修飾電極を用いるサイクリックボルタンメトリー(CV)においては,フェリシアンイオンの電極反応が抑制されるが,その程度は修飾剤であるアルカノールのアルキル鎖長の増大と共に大きくなった.また,常温で液状である直鎖アルカノール中では,1-オクタノールが修飾剤として最も分析化学的利用に適していることが示された.3.前項の抑制されたフェリシアンイオンの電極反応は、系中に共存させたアルカリ土類金属やアルキルアミン塩によって回復するが、その回復の程度は,これら共存物質の濃度に依存して増大した.また,アルカリ土類金属の効果を詳しく検討した結果,修飾により電極表面が疑似ミクロ電極状態となっていることを明らかにした.4.一級アミン類による電極反応の回復は,アミン類のアルキル鎖長の増大と共に大きくなり,前項の結果と合わせて,アミン類の誘導体化を必要としない電気化学的検出法開発の可能性が示された.また,ポリアミン類を系中に共存させた場合,モノアミン類よりも更に大きな回復効果が観察された.5.類似の修飾剤として,1,ω-アルカンジオール(特に,1,5-ペンタンジオール)を用いて作製した修飾炭素電極を用いるCVによって,過剰のアスコルビン酸共存下,神経伝達物質であるドーパミンの高感度および選択的検出が可能であることを見いだした. 上記3〜5の知見は,アルカリ土類金属やアミン類等の実用的な電気化学的検出法に発展する可能性が充分考えられるため,現在さらに検討を続けている.
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Hatsuo Maeda(前田初男): "Direct Covalent Modification of Glassy Carbon Suryaces with 1-Alkanols by Electrochemical Oxidation" Chem.Pharm.Bull.42. 1870-1873 (1994)
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[Publications] Hatsuo Maeda(前田初男): "Electrochemical Performance of a Glassy Carbon Electrode Anodized in 1-Octanol" Analytical Sciences. 10. 963-965 (1994)
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[Publications] Hatsuo Maeda(前田初男): "Voltammetric Behaviors of Dopamine and Ascorbic Acid at a Glassy Carbon.Electrade Anodiged in 1,w-Alkanediol" Analytical Sciences. 11. 947-952 (1995)
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[Publications] Hatsuo Maeda(前田初男): "Indiret Detection of Alkaline Earth Ions by the Voltammetric Response of Ferricyanide Anion at a Glassy Carben Electrode Anadiged in 1-Octanol" Chem.Pherm.Bull.44. 559-564 (1996)