1995 Fiscal Year Annual Research Report
生体硬組織に対する医薬品の親和性に関する物理化学的研究
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07672316
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
嶋林 三郎 徳島大学, 薬学部, 教授 (20025703)
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Keywords | ヒドロキシアパタイト / 硬組織 / 界面複合体 / ポンソ-R / 薬物・タンパク複合体 / 分子間相互作用 / 生体高分子 / 吸着 |
Research Abstract |
1.ヒドロキシアパタイトHAPが主成分である硬組織に対する薬物の結合機構あるいは薬物の送達・濃縮機構を、HAP界面における分子間相互作用(複合体形成すなわち薬物の親和性)の観点から理解するために表記の研究をモデル系により行った。実験に際しては、合成HAP、牛血清アルブミンBSA(蛋白モデル物質)、ポンソ-R(PR、薬物モデル物質)を用いた。NaClイオン強度を調節して6℃、中性pHの領域で調べた。 2.PRとBSAのHAPへの吸着量はそれぞれNaCl添加濃度とともに増大した。この結果は、吸着したPR分子間同士あるいはBSA分子間同士の静電反発を添加NaClが抑制していることを意味している。BSAのHAPに対する吸着等温線は高親和型となった。BSAに対するPRの結合率も添加NaCl濃度とともに大となった。これはNaClによりBSA-PR間の静電的反発が抑制されるとともに、両者の疎水基どうしの相互作用が強められるためと考えられる。これらの結果を考慮に入れてHAP-BSA-PR三者間の相互作用について考察した。PR添加濃度を一定にした時のHAPに対するPRの見かけ吸着量は、BSA添加濃度とともに直線的に増加する領域、直線関係から外れて極大値に達する領域、再び低下する領域の3種に分類されることがわかった。第一の領域では添加BSAが全て吸着され、このBSAに対してPRが結合する。第二の領域では遊離BSAが出現するために直線性から外れる。第三の領域ではBSAのHAPに対する吸着は飽和に達しており遊離BSAがPRを消費するためにPRの見かけの吸着量が低下すると考えられる。第一の領域から得られる吸着BSAに対するPRの結合率は水中のBSAに対するPRの結合率よりも大であるが20mmol/dm^3NaCl中における結合率よりも小であった。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 嶋林 三郎: "無定形シリカの粒子表面細孔および一次粒子間間隙に浸入する水によって引き起こされるポリビニルピロリドン共存下でのコンドロイチン-6-硫酸およびナトリウムカルボキシラトメチルセルロースの見かけの負吸着" 日本化学会誌. 1996. 121-126 (1996)
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[Publications] 嶋林 三郎: "Effect of Potassium Polyvinylsulfate of Various Degree of Sulfation on the Formation of Hydroxyapatite in an Aqueous Phase" Phosphorus Research Bulletin. 5. 13-18 (1995)
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[Publications] 嶋林 三郎: "Formation of Hydroxyapatite in the Presence of Bovine Serum Albumin in an Aqueous Phase" Phosohorus Research Bulletin. 5. 19-24 (1995)
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[Publications] 宇野 公之: "Effect of Imidazole and pH on the Peroxidase Activity of the Hemin-Hydrogen Peroxidase System" Inorganic Chemistry. 34. 1599-160 (1995)