1995 Fiscal Year Annual Research Report
キラルエドマン法の開発とD,L-アミノ酸配列分析システムの構築
Project/Area Number |
07672321
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | University of Shizuoka |
Principal Investigator |
豊岡 利正 静岡県立大学, 薬学部, 教授 (40183496)
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Keywords | 光学活性蛍光標識化試薬 / ペプチド / D,L-アミノ酸配列分析 / ジアステレオマ- / キラルエドマン法 / 蛍光分析 / 液体クロマトグラフィー |
Research Abstract |
多くの微量の生理活性ペプチド類が医薬品として疾病の治療に供されている。しかし天然型ペプチドは医薬品としての安定性が不十分であったり、副作用が強い等の問題があることがある。これらの欠点を補うために天然型のペプチド中のアミノ酸の一部をD-体に置換した生理活性ペプチドアナログを医薬品として開発することが試みられている。このような背景から、ペプチドのD,L-アミノ酸を識別するキラルエドマン法の確立が医薬品の安全性、有効性の両面から重量である。平成7年度は、新規に開発したキラルエドマン法用光学活性蛍光標識化試薬(DBD-PyNCS,NBD-PyNCS)による最適反応条件および標識化D,L-アミノ酸のHPLC-蛍光検出法による高感度一斉分析法を検討し、本法を用いたD,L-アミノ酸配列分析法を検討した。これまでに得られた成果としては、DBD-PyNCS,NBD-PyNCSは比較的緩和な条件下すべてのD,L-アミノ酸と反応し、長波長域に蛍光を発する誘導体を生成する。HPLCにより18種のD,L-アミノ酸の分離を検討したところ、中性アミノ酸や塩基性アミノ酸については、それぞれのエナンチオマーの分離およびアミノ酸の相互分離ともに良好であった。しかし酸性アミノ酸については、それぞれのアミノ酸のエナンチオマー間の分離は不十分であり今後も検討を要した。標識化アミノ酸の検出限界は数十フェムトモルと高感度であった。エドマン法により、ペプチドのD,L-アミノ酸配列分析を検討しているが、カルバモイル誘導体からチオヒダントイン誘導体への環化反応のラセミ化率は20%弱であり、D-体あるいはL-体の識別には問題なく、本法によるキラルエドマン法は十分適用可能であるものと判断しD-アミノ酸含有生理活性ペプチドの配列分析を検討している。
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[Publications] T.Toyo'oka,Y.-M.Liu: "Development of Optically Active Fluorescent"Edman-type"Reagents." Analyst. 120. 385-390 (1995)
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[Publications] T.Toyo'oka,Y.-M.Liu: "Resolution of Amino Acid Enantiomers by HPLC with Fluorescent Chiral Edman Reagents." Journal of Chromatography A. 689. 23-30 (1995)
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[Publications] T.Toyo'oka,Y.-M.Liu: "Determination of D-and L-Amino Acid Residues in Peptides with Fluorescent Chiral Tagging" Chromatographia. 40. 645-651 (1995)