1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07672322
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
櫨本 紀夫 名古屋市立大学, 薬学部, 助教授 (40192273)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
四ッ柳 智久 名古屋市立大学, 薬学部, 教授 (40080189)
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Keywords | 遺伝子治療 / ドラッグデリバリーシステム / リポソーム / ポリペプチド |
Research Abstract |
平成8年度は、ポリペプチドによる遺伝子発現とDNAとの相互作用との関連及びカチオン性リポソームによるin vitro、in vivoでの遺伝子発現について調べた。 ポリペプチドについては、前年度に効率的なトランスフェクション試薬となることが確認されたが、本年度はDNAとの相互作用について調べた。アガロース電気泳動によると、DNAの泳動はポリペプチドの添加により濃度依存的に抑制され、DNAとの荷電比が2から4では、泳動されず試料溝に残った。この濃度域での遺伝子発現が確認されており、遺伝子発現には荷電的にDNAの負荷電が中和された複合体の形成が必須であると思われる。更に、蛍光ラベルDNAの形態的観察によると、この領域でDNAはランダムコイル状からグロビュール状に形態が変化しており、遺伝子発現には、DNA-ポリペプチド複合体の形成とその荷電及び形態的変化が必要であることがわかった。 カチオン性リポソームについて、前年度に血清の添加により遺伝子発現量が著しく低下することを示したが、共焦点レーザー顕微鏡による観察の結果、血清存在下ではDNA-リポソーム複合体の細胞への吸着量が減少することが低下の主な原因と考えられた。更に、SDS電気泳動によるとDNA-リポソーム複合体にはアルブミンの他、数種類の血清タンパクの結合が確認された。in vivo実験では、ガン組織への直接投与を試みた。ガン内部よりもその周辺部での遺伝子発現が観察された、DNA複合体のガン内部での滞留時間が短いためであると考えられた。今後、更にガン組織での効率的発現のための手法の確立を検討する必要がある。
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[Publications] I. Isobe et al: "Astrocyclic Contributions to BBB Formation by Endotherial Cells" Neurochem. Int. 28. 523-533 (1996)
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[Publications] N. Hazemoto et al: "DNA Transtection mediated by synthetic polypeptide and Cylotoxicity" Pharm Res.