1995 Fiscal Year Annual Research Report
アンチセンス医薬品の体内動態・細胞内トラフィッキング同時制御システムの開発
Project/Area Number |
07672351
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
高倉 喜信 京都大学, 薬学部, 助教授 (30171432)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西川 元也 京都大学, 薬学部, 助手 (40273437)
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Keywords | アンチセンスDNA / 体内動態 / 細胞内トラフィッキング / ファーマコキネティクス / クリアランス / デリバリーシステム / c-myc / phosphorothioate |
Research Abstract |
近年、mRNAに相補的な配列を持つアンチセンスDNAを細胞に送り込むアプローチが、種々の難治性疾患に対する遺伝子レベルでの新しい薬物治療法として注目を集めている。現在までにin vitroにおいては優れた効果が報告されているが、in vivoでの成功例は極めて少なく、アンチセンスDNAの医薬品としての実用化にはほど遠いのが現状である。In vivoでの治療を実現するためには、様々な問題点を克服する必要があるが、なかでも重要な問題として生体適用後の挙動の問題が挙げられる。生体に投与されたアンチセンスDNAが治療効果を発現するためには、標的細胞内の細胞質あるいは核内に存在する標的分子に効率よく作用することが必要不可欠であり、これを達成することのできる方法論の確立が重要と考えられる。そこで本研究では、生体適用後、アンチセンスDNAが作用を発現するまでのプロセスを、(1)標的細胞に取り込まれるまでの体内動態過程、(2)細胞内到達後の細胞内トラフィッキングの2つの過程に分けて考え、各過程における挙動のメカニズムを明らかにする。得られた結果に基づき、これらを統一的に制御できるデリバリーシステムの確立を目指した。モデルアンチセンスDNAとして癌遺伝子c-mycに対するantisense 20-merの^<32>P標識体を用い、マウス静脈内投与後の体内動態を検討した結果、速やかに分解を受けると共に肝臓および腎臓に高濃度に集積することが明らかとなった。生理学的ファーマコキネティクスの手法を用いて解析したところ、それぞれの臓器における取り込みクリアランスはかなり大きな値であることが示され、これらの臓器の重要性が明らかとなった。さらに、標的癌細胞であるU937細胞および体内動態を規定すると考えられる細胞としてマクロファージを用いて取り込み実験を行い、時間、温度依存性を明らかにした。また、天然体よりphosphorothioate体の方が顕著に取り込まれることも見い出した。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Miyao, T.: "Stability and Pharmacokinetic characteristics of oligonucleotides modified at terminal linkages in mice" Antisense Research and Development. 5. 115-121 (1995)
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[Publications] Choksakulnimitr, S.: "In Vitro cytotoxicity of macromolecules in different cell culture systems" J. Controlled Release. 34. 233-241 (1995)
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[Publications] Sawai, K.: "Renal disposition charcteristics of oligonucleotides modified at terminal linkages in the perfused rat kidney" Antisense Research and Development. 5. 279-287 (1995)
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[Publications] Takakura, Y.: "Development of delivery systems for antisense oligonucleotides in “Advanced Biomaterials in Biomedical Engineering and Drug Delivery Systems"(Eds. Ogata, N. et al.)PP.357-358" Springer, Verlag Tokyo, 381 (1996)