1996 Fiscal Year Annual Research Report
コラーゲン様耕造をもつ動物レクチンの遺伝子発現の調節
Project/Area Number |
07672354
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Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
川嵜 伸子 京都大学, 医療技術短期大学部, 教授 (70077676)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川嵜 敏祐 京都大学, 薬学部, 教授 (50025706)
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Keywords | コングルチニン / 動物レクチン / レクチン / ウシ血清 / 遺伝子発現調節 / ルシフェラーゼ / プロモーター / 転写制御配列 |
Research Abstract |
コングルチニンはウシ血清中の、N-アセチルグルコサミンに特異的なC型動物レクチンであり、分子内にコラーゲン様構造を含む特徴的なタンパク質である。本研究は、コルグルチニン遺伝子の発現調節機構を解明することにより、その生物学的意義を明らかにしようとするものである。 すでに平成7年度研究において、コルグルチニン遺伝子の5′-上流調節領域の塩基配列を転写開始点より約700bp上流まで決定し、ルシフェラーゼレポーター遺伝子を用いて転写調節部位の解析を予備的に行った。平成8年度は、プロモーターアッセイ、ゲルシフト法、DNaseIフットプリント法により、転写調節部位を詳細に解析した。その結果、次の1〜4を明らかにすることができた。 1.コルグルチニン遺伝子の5′-上流域の5′-末端側から段階的に欠失させた変異体、および部位特異的変異体を作成し、これらのDNA断片をルシフェラーゼレポータープラスミドに組み込んで作成したコンストラクトを培養肝細胞HepG2にトランスフェクトした。一過性に発現したルシフェラーゼの活性測定により、プロモーター活性を解析した。その結果、転写開始点より約200bp上流近傍に転写を促進的に制御している配列が存在することがわかった。 2.ゲルシフト法により、上記の正のシスエレメントに結合するトランス因子がHepG2細胞およびウシ肝細胞の核タンパク質抽出液中に存在することが確認できた。 3.フットプリント法により、上記のトランス因子の結合部位は-181bp〜-174bpであった。 4.-158bp〜-152bpに存在するAP-1配列も、正の転写制御配列として働いており、これは、-180bp近辺の正のエスエレメントと協調的に働いていることがわかった。さらに、核タンパク質がこのAP-1配列に結合すること、およびその結合部位をそれぞれゲルシフト法およびフットプリント法で確認した。 以上のように、コングルチニン遺伝子の5′-上流域の近位プロモーター領域の転写制御部位の詳細を明らかにすることができた。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Masayoshi Tabata: "Removal of glucose in serum by a bioreactor and its application to the determination of serum 1,5-anhydroglucitol" Proceedings of the X VI International Congress of Clinical Chemistry. 376 (1996)
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[Publications] 田畑勝好: "固定化酵素カラムを装着したフローインジェクション分析のLDH反応解析への応用" 臨床病理. 44(Suppl.). 75 (1996)
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[Publications] 田畑勝好: "新編臨床検査講座18 臨床化学" 医歯薬出版株式会社, (1996)