1995 Fiscal Year Annual Research Report
腸炎ビブリオと黄色ブドウ球菌におけるイオン輸送系の特徴
Project/Area Number |
07672358
|
Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
|
Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
土屋 友房 岡山大学, 薬学部, 教授 (80012673)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
島本 整 岡山大学, 遺伝子実験施設, 助手 (90187443)
|
Keywords | イオン輸送 / 腸炎ビブリオ / 黄色ブドウ球菌 / 耐塩性 |
Research Abstract |
腸炎ビブリオは生育にNa^+を要求する低度好塩菌である。我々はすでに腸炎ビブリオの主要なNa^+排出系(NhaA系)の遺伝子クローニングと構造解析に成功しているが、7年度の本研究により、第二のNa^+輸送系(排出系)の遺伝子をクローニングしシーケンスを決定することができた。その一次構造は最初にクローニングされたもの(NhaA系)とは完全に異なっていたが、大腸菌で知られているNhaB系とかなり高い相同性を示した。遺伝子クローニングによりこの系単独の性質を調べることが可能になり、現在解析を進めている。また、主要なNa^+排出系をすべて欠損する大腸菌変異株(我々が構築したもの)にそれぞれのNa^+排出系の遺伝子を導入することにより、それぞれの系の役割を解析することが可能になった。 一方、黄色ブドウ球菌は耐塩菌である。この菌のNa^+輸送をはじめとするイオン輸送系の解析には、反転膜小胞の作製法の開発が重要な点であるが、7年度の研究によりその作製法を完成させることができた。その方法により作製した反転膜小胞を用い、蛍光クエンチング法により、黄色ブドウ球菌の膜に存在するNa^+/H^+アンチポーターの性質を明らかにした。そして、そのNa^+輸送系(排出系)の遺伝子のクローニングを行った。現在、この遺伝子についてシーケンスの決定を行っている。 本年度の研究により、これらの菌におけるNa^+輸送系の特徴が明らかになりつつある。
|
Research Products
(4 results)
-
[Publications] Hiroki Inoue: "Essential aspartic acid residues,Asp-133,Asp-163 and Asp-164,in the transmembrane helices of a Na^+/H^+ antiporter (NhaA) from E.coli." FEBS Letters. 363. 264-268 (1995)
-
[Publications] Yongchol Shin: "Reconstitution of the F_1-ATPase activity from purified d,β,r and s or ε subunits with glutathione S-transferase fused at their amino termini." Biochim.Biophys.Acta. 1273. 62-70 (1996)
-
[Publications] Rafiquel l.Sarker: "Properties of a Na^+/galactose (glucose) symport system in Vibrio parahaemolyticus." Biochim.Biophys.Acta. (in press). (1996)
-
[Publications] Rafiquel l.Sarker: "Sequence of a Na^+/glucose symporter gene and its flanking region of Vibrio parahaemolyticus." Biochim.Biophys.Acta. (in press). (1996)