1995 Fiscal Year Annual Research Report
グリコシル・ホスファチジルイノシトール・アンカー蛋白質の構造と機能
Project/Area Number |
07672372
|
Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
|
Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
田口 良 名古屋市立大学, 薬学部, 助教授 (20080210)
|
Keywords | GPIアンカー / グリコシルホスファチジルイノシトール / 翻訳後修飾 / ESI-MS / ホスファチジルイノシトール |
Research Abstract |
牛赤血球膜およびマウスNS-1細胞膜上のグリコシル・ホスファチジルイノシトール(GPl)アンカー蛋白質をHPLCで分離し、各分画をSDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動により分離た後、ブロッティングによりPVDF膜に移し、各蛋白バンドから諸処理により分解物を溶出させ、ガスクロマトグラフィー・マススペクトロメトリー(GC-MS)によりinositolの検出を行なった。 その結果、このmyo-inositolとその構造異性体でであるchiro-inositolが5:1から1:1の比率で検出された。このchiro-inositolは酸分解等の処理条件による異性化により生じた可能性も考えられるため、異性化の生じる条件等についてさらに検討中してゆく予定である。 GPlアンカー蛋白質のC末アンカーペプチドの構造解析、特に糖鎖の分岐によるmicroheterogenietyの解析に対してのエレクトロスプレーイオン化マススペクトロメトリー(ESl-MS)とtime of flight(TOF)-MSの利用を検討した。その結果、GPlアンカー糖鎖由来の特異的解裂ピークを同定した。この解裂情報を用いることにより、新たに見出したGPlンカー蛋白質よりC末アンカーペプチドを容易に同定し、MS/MS分析により糖鎖構造を詳しく解析する事が可能となった。 同様にESl-MS/MSによりGPlアンカー蛋白質のリン脂質部分の脂肪酸分子種の同定が可能であることが判った。この方法によりGPlアンカー蛋白質やその前駆体に結合するホスファチジルイノシトールの脂肪酸分子種の構造を、アシルであるかアルキルであるのかを含め明らかにして生きたい。
|
Research Products
(1 results)