1995 Fiscal Year Annual Research Report
酸素障害により生体膜に生成されるリン脂質ヒドロペルオキシドの代謝機構の解明
Project/Area Number |
07672376
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
中川 靖一 北里大学, 薬学部, 教授 (00119603)
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Keywords | 酸化ストレス / 生体膜 / 過酸化脂質 / 酸化型リン脂質 |
Research Abstract |
ラジカル開始剤であるAAPHとヒドロキシラジカルを産生するキサンチンオキシダーゼ(XOD)の2種の活性酸素産生系による赤血球膜でのリン脂質ヒドロペルオキシドなどの酸化型リン脂質の生成様式を調べた。ヒト赤血球膜をそれぞれの酸化系で過酸化反応を行い、同程度の脂肪酸の減少が見られる条件を設定し、生体膜の過酸化により生ずる過酸化生成物を調べた。その結果、次の点が明らかとなった。 1)それぞれの酸化系での脂溶性、水溶性過酸化物の生成をTBA法を用いて調べたところ、AAPHでは脂溶性、XODでは水溶性の過酸化生成物が主なものであった。 2)リン脂質ヒドロペルオキシドの生成はAAPHでは顕著に見られたが、XOD系では見られなかった。 3)水溶性アルデヒドであるマロンジアルデヒドの生成はXOD系がAAPH系に比較して、圧倒的に高かった。 4)リン脂質ヒドロペルオキシドの分解生成物と考えられるアルデヒドをもつホスファチジルコリンの生成はXOD系に比較して、AAPH系が高かった。 過酸化条件により生体膜に生ずる過酸化脂質の生成を見た所、アルキルラジカルでは酸化型リン脂質が多く、一方ヒドロキシラジカルでは短鎖のアルデヒドが多く、その生成パターンは大きく異なることが明らかとなった。
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