1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07672435
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
吉澤 信夫 山形大学, 医学部, 教授 (40085808)
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Keywords | 授業 / 自己点検評価 / 医学教育 / 教育評価システム |
Research Abstract |
本研究は1990年以来、医学教育における授業評価にについての検討を重ね、学会等における発表ののち、「系統的授業評価の試み」を論文として公表(1995年)した構想の実践の一部である。1994年からは授業に対する学生の無記名アンケートによる評価を本格的に導入し、種々の検討を加えているが、以下の報告は平成7年度に、第27回日本医学教育学会(倉敷)で発表したものである。学生の勉学意欲を判断する方法については種々の報告があるが、歯科口腔外科学の系統講義の中の「口腔癌」において、セミナー方式による授業を導入した。すなわち学生を10班に分けてそれぞれに1つずつのテーマを与え、文献調査、資料作成、学生自身による司会と発表並びに討論による授業(100分×2)と、講座主任による補足説明、コメントを中心とする講義を組み合わせた形態である。 テーマは(1)口腔癌の疫学、(2)診断方法、(3)TNM分類、(4)病理組織学的分類とその特徴、(5)前癌病変の発生機序,肉眼所見,顕微所見,治療法、(6)発育,浸潤,転移とその好発部位臓器、(7)放射線治療および理学療法、(8)薬物療法、(9)外科的治療法,特に骨と軟組織に対する配慮,審美性,機能維持,再建手術、(10)インフォームドコンセントとQOLのあり方、および末期癌患者への対応である。 学生の発表は、プリント資料を中心にOHP、スライドプロジェクターなどを用いた。その結果、出席者数が比較的多くなり、質疑応答も活発になった。また全講義終了後の学年末に行った系統講義に関するアンケートでも、高く評価する者が多かった。しかし班により強力体制が良好なところもある一方、小人数で作業をすすめてしまうところが少なくなかった。1班編成が10名という学生数では、セミナー方式の応用に無理が多く、教官の負担も大きかったが、改良点を検討して今後も継続したい。
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