1995 Fiscal Year Annual Research Report
医師同僚評価による医療評価(Medical Audit)導入方法の検討
Project/Area Number |
07672444
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
渡邊 一平 東海大学, 医学部・地域保健学, 助手 (50147162)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 荘太郎 東海大学, 医学部・地域保健学, 助教授 (30102841)
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Keywords | 医療評価 / 医師同僚評価 / 治療法 / 診療録 / 治療計画 |
Research Abstract |
代表研究者の転出のため今年度予定していた医師同僚評価についての状態の調査を次年度に繰り延べ、今年度は医師同僚評価の対象とする具体的疾患について評価の情報を検証することにした。具体的な症例として重症胃・十二指腸潰瘍の出血例(701例:1975年から1991年までの7年間)を対象に年齢、性、輸血量、合併症、主たる治療法、在院日数、医療経費などを調査し、患者の背景因子を含めて治療法の変化を考慮して治療成績、医療効率として何が有効であるかを診療評価として検討した。その結果、治療法の変遷は医療評価を実施する際の重要事項であり、提供された医療サービスの効率を計るうえにおいても重視しなければならないことを認識した。特に適切な治療方針、治療計画に基づいて実施された診療についての評価の実施には検査法、検査計画において非侵襲、より安全な検査法に変化してきており、その変貌の速度も早く、費用との関係から注目された。患者の背景因子は年齢(高齢者)、合併症の有無、輸血量およびその期間を考慮することの重要性が示唆された。医師同僚評価では、よりよい診療サービスを患者に提供するために、医師が自発的に医師自身の診療計画、治療行為、治療成果の経過を明らかにする過程をとおしてフィードバックされることが重要である。診療評価の客観性、正当性を保つ情報の収集には診療情報の基準化が必要であり、診療録の記載方法、診療録の内容の表現など評価以前の問題整理が必要であることを認めた。症例の重症度により、診療内容は異なるので、Disease Stagingの分類を導入し、重症度と診療内容のデータセットを作成し、医療評価導入の基本となる診療録の標準化を来年度は検討する。これにより医師同僚評価の実験、導入、施行を検討したい。
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