1995 Fiscal Year Annual Research Report
平滑筋弛緩薬の新しい細胞内シグナル伝達に対する作用機構
Project/Area Number |
07672460
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
中 充子 三重大学, 医学部, 助手 (10093139)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
向井 淳 三重大学, 医学部, 助手 (70263019)
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Keywords | 平滑筋 / カルポニン / プロティンキナーゼC / リン酸化反応 / 冠状動脈 / 血管収縮 / シグナル伝達 |
Research Abstract |
血管収縮反応は細胞内カルシウムイオン濃度により調節されていると考えられているが刺激の種類や弛緩薬の種類によっては必ずしもカルシウム濃度と収縮反応は相関性が無いところから、カルシウム-カルモデュリン依存性ミオシン軽鎖リン酸化反応に加えてそのカルシウム感受性を制御する機構が存在することが示唆されている。その中の有力な1つにカルポニンのリン酸化反応の関与が考えられる。カルポニンは平滑筋に豊富に存在するアクチン結合蛋白質でアクトミオシンのATPase活性を阻害するが、この作用はプロテインキナーゼCによりリン酸化されると減弱することが明らかとなっている。このカルポニンのリン酸化反応が生筋レベルで平滑筋収縮機序にどのように関与しているのか明らかにすることで今まで説明できなかった平滑筋収縮機序の解明を試みるのが本研究の目的である。その結果、我々は、^<32>Pでラベルしたブタ冠動脈で、ホルボールエステルおよびエンドセリン-1による収縮時にカルポニンがリン酸化されることを見い出した。さらに、カルポニンのリン酸化酵素について、プロテインキナーゼC阻害剤GF109203Xの作用や2次元ペプチドマップアによる解析により検討を行ったところ、ホルボールエステルおよびエンドセリン-1で収縮したブタ冠動脈において、カルポニンのリン酸化酵素はプロテインキナーゼCであることが示唆され、プロテインキナーゼCによるアクチン側の血管平滑筋調節機構の存在を示した。
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[Publications] Terumasa Mino: "A Calponin Peptide Enhances Ca2+ Sensivity of Smooth Muscle Contraction without Affecting Myosin Light Chain Phosphorylation" Biochem,Biophys.Res.Commun.208. 397-404 (1995)
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[Publications] Takeo Itoh: "Phosphorylation of Calponin Mediated by Contraction by Protein Kinase C in Association with Contraction in Porcine Coronary Artery" J.Biol.Chem.270. 20400-20403 (1995)