1996 Fiscal Year Annual Research Report
新規トリプトファン関連物質測定の臨床検査領域(腎機能検査)への適用
Project/Area Number |
07672486
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
米川 修 浜松医科大学, 医学部・附属病院, 助手 (90158527)
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Keywords | トリプトファン関連物質 / 腎機能検査 / クレアチニン / 筋肉量 / 甲状腺ホルモン / 糖 |
Research Abstract |
申請者たちがヒト尿中より見い出した新規トリプトファン関連物質;Substance X(S.X)測定の臨床検査領域、特に、腎機能検査における有用性を評価するため、基本的検討と追加実験を加えた。 臨床検査領域への適応を考慮しての検討 筋肉含量の影響の有無を明らかにするために、健常人で、Body Mass Index(BMI)とS.Xならびに、クレアチニンとの相関を求めた。BMIとクレアチニンには相関が認められたが、S.Xに対しては、相関は認められなかった。これは、前回報告のS.Xは、クレアチニンとは異なり筋肉量の影響は受けず、より正確な腎機能(糸球体ろ過率)を反映している結果を、さらに明らかに証明することになった。クレアチニンは、摂取蛋白量の影響を受けることが報告されている。摂取蛋白量のS.Xに対する影響の有無をみるため、現在、腎不全患者の高蛋白食、低蛋白食下での検体を収集中である。 他の病態での検討 腎機能障害以外の病態において、若干の検討を行った。坦癌患者においては、一部のトリプトファン関連物質が変動することが知られている。数例の検討では、S.Xに特に異常は認められなかった。また、S.Xは、各年代を通じて一定であり、老齢化するとともに増加することを示したが、この点に関し学会発表の際に、代謝の影響(甲状腺ホルモン)の関与を示唆された。検討した甲状腺機能亢進症症例においては、正常を示し、関与の可能性は低いと思われた。 構造解析面での検討 今回、今まで不明であったSXの糖の部分の構造を明らかにできた。現在新規物質として特許出願中である。さらに、共同研究グループが本構造を基に、合成に着手し、合成法を開発中である。
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