1995 Fiscal Year Annual Research Report
不妊症女性の心理的問題の背景要因とその援助に関する研究
Project/Area Number |
07672512
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
鈴木 育子 山形大学, 医学部, 助手 (20261703)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
千葉 ヒロ子 山形大学, 医学部, 教授 (50123310)
森岡 由起子 山形大学, 医学部, 助教授 (70113983)
生地 新 山形大学, 医学部, 講師 (20185177)
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Keywords | 不妊症 / 心理学 / 母性看護学 / 抑うつ / 不安 / 母性理念 / ストレス |
Research Abstract |
不妊症治療を目的に受診した女性107名について、準構造化面接と自記式評価尺度による調査を施行した。調査項目は、不妊によるストレス状況、不安、抑うつ、不妊に伴う感情、母性理念等である。調査の結果、対象者全体の6割が不安であると回答していた。治療に対して、積極的なものがむしろ不安が強かった。 自記式の不安尺度であるSTAIでは、状態不安、特性不安ともに、日本人女性の平均値よりも高めであった。不妊期間の長期の群に特に不安が強い傾向があった。自記式抑うつ性尺度では、やはり日本人女性の平均値よりも高かった。また、不妊期間の長期の群に特に抑うつが高い傾向があった。得点上では、不妊症女性の不安や抑うつは、神経症患者のレベルに近いと言える結果であった。 不妊に伴う感情は、不妊という事態についてどのような気持ちを抱いているかを項目ごとに5段階評価してもらうものである。不妊に伴う感情について、因子分析したところ、「抑うつ不満因子」「悲哀自責因子」「自己不全感因子」と解釈できる3つの因子が抽出された。 以上の結果から、不妊症女性は、不妊の長期化に伴い、不安や抑うつが強くなることが明らかになった。また、不妊症女性は、治療の初期には、自分自身の問題で悩むものが多いが、治療が長期化すると、他者や環境からのストレスに悩まされる傾向があることも予測された。さらに、不妊症女性の心理の構造を、因子分析で分析すると、「抑うつ不満」「悲哀自責」「自己不全感」から構成されていると解釈された。
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