1995 Fiscal Year Annual Research Report
母子関係確立に向けての母子相互作用を効果的に推進するための看護戦略-タッチングとしてのだっこの鎮静効果についての研究-
Project/Area Number |
07672514
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
江守 陽子 千葉大学, 看護学部, 助手 (70114337)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
工藤 美子 千葉大学, 看護学部, 助手 (40234455)
森 恵美 千葉大学, 看護学部, 助教授 (10230062)
前原 澄子 千葉大学, 看護学部, 教授 (80009612)
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Keywords | 母子相互作用 / タッチング / 振動刺激 / 抱擁 / 鎮静効果 / 啼泣 / 新生児 |
Research Abstract |
平成7年度の計画にしたがって、揺りかごによる振動刺激が新生児にどのような影響を与えるかを、新生児の啼泣と生理学的指標に着目して検討した。健康で正常な新生児54名に対し、加振装置としてコンビ株式会社製揺りかごを用い、水平方向の刺激を与えた。一方、保育者の抱擁による刺激は、児を抱いた状態でできるだけ水平方向に刺激した。 これら二種類の刺激を児の状態(state)別に比較検討したところ、次の結果をえた。 1.揺りかごの振動刺激は新生児の啼泣を速やかに停止させる効果が認められた。 2.揺りかごの振動刺激は啼泣中の新生児の心拍数、末梢体表面温度を減少させ、呼吸数を増加させた。 3.揺りかごの振動刺激は睡眠中の新生児の末梢体表面温度を減少させ、呼吸数を増加させた。 4.保育者の抱擁による振動刺激は開始前に啼泣がみられた児の心拍数の減少、呼吸数、末梢体表面温度の増加が認められた。 5.揺りかごによる振動刺激と保育者の抱擁による振動刺激の比較では、児に与える生理学的な影響に差は認められなかった。しかし、振動終了後の児に対する鎮静効果の持続は保育者の抱擁の方がやや大きかった。 以上のことから、本年度の研究結果からは、揺りかごによる振動刺激と保育者の抱擁による振動刺激では、啼泣状態にある児に対してはどちらの刺激も啼泣を鎮静する効果のあることを見出した。しかし、振動の強さや大きさ(振動数、振幅、加速度、振動方向)、抱き方(縦抱き、横抱き)等による影響の大きいことが考えられ、さらに検討する必要があると思われた。
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