1995 Fiscal Year Annual Research Report
経時的に変化する項目を取り入れた定量的褥創予測スケールの開発
Project/Area Number |
07672519
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
真田 弘美 金沢大学, 医学部, 助教授 (50143920)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永川 宅和 金沢大学, 医学部, 教授 (50019600)
牧本 清子 金沢大学, 医学部, 教授 (80262559)
伴 真由美 金沢大学, 医学部, 助手 (70242542)
稲垣 美智子 金沢大学, 医学部, 助教授 (40115209)
須釜 淳子 金沢大学, 医学部, 助手 (00203307)
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Keywords | 褥創 / 要因 / 定量的 / スケール |
Research Abstract |
平成7年度は褥創発生要因の中で変化する要因と変化しない要因を分類して抽出することを目的とした。 方法は、まず文献検索により、褥創発生要因について検索し、褥創発生例のレトロスペクティブな調査を行い、褥創発生要因の変化とその関連性をみることにある。現在、終末期患者の褥創発生要因を検討しており、その具体的な方法と結果は以下の通りである。 対象は、1993年から1994年の2年間に金沢大学医学部附属病院で死亡退院した終末期患者の中で褥創が発生しあ患者46名の看護記録、診療記録である。方法は、事例ごとに褥創発生の経過を記述することにより、その要因の関係を時系列に並べた。その手順は、文献検索により抽出された要因に対して、対象がほとんどベッド上での生活になった時から、褥創の発生までの要因のシーケンスオブイベンツを経時的に描いていった。分析は、徐々に現れる要因と急激に現れる要因を事例ごとに分類し、その要因に共通するカテゴリーを抽出した。 その結果、要因の出現時期は、まず徐々に現れる要因が持続した後に、急激に現れる要因が続いた。徐々に現れる要因として、組織では、全員に癌の転移があり、化学療法、およびそれによる栄養状態の低下からくる組織脆弱性、圧迫では、痛み、意識障害、麻酔による臥床と痩せによる骨突起部位の荷重に分類された。急激に現れる要因として、組織では、血圧低下、呼吸困難、浮腫による末消循環不全、また下痢や尿漏れ、発汗による皮膚の湿潤、圧迫では相関、痛み、呼吸困難による体位変換困難が分類された。終末期患者の褥創発生要因を分類することで、新たに組織脆弱、骨突出による荷重、体位変換困難のカテゴリーが新たに抽出された。さらに現在、事故等の急激な変化を障害のためにICU入室患者、呼吸器、消化器癌患者の術後の褥創発生要因について、同様に調査を継続している。
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