1997 Fiscal Year Annual Research Report
被虐待児のケアニーズのアセスメント指標開発とその効果測定
Project/Area Number |
07672524
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
鈴木 敦子 大阪大学, 医学部, 教授 (50196789)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
楢木野 裕美 大阪府立看護大学, 看護学部, 講師 (90285320)
鈴木 泰子 大阪大学, 医学部, 助手 (60283777)
小山田 浩子 大阪大学, 医学部, 講師 (90233626)
鎌田 佳奈美 大阪大学, 医学部, 助手 (30252703)
堀井 理司 大阪大学, 医学部, 講師 (10243255)
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Keywords | 被虐待児 / ケアニーズ / アセスメント / 初期対応 / 安全性 / 一貫性 / 愛着-回避型 / 依存欲求 |
Research Abstract |
過去2年間、大阪府下の小児病棟に勤務する1070名の看護婦に対して質問紙による児童虐待への認識とケア状況の調査を行うと共に、病棟における看護婦の被虐待児に対するケアの状況を参加観察により把握し、被虐待児が必要としているケアを提供するためのアセスメント指標の開発をめざしてきた。この一連の研究のなかで、看護婦の児童虐待に対する関わりや関心は多くなっているにもかかわらず、その認知レベルは感覚レベルのものが多く、被虐待児やその親に対する適切なアセスメントがなされていないこと、また実際のケアにあたっても、「愛着-攻撃型」のケアを示す看護婦は少なく、「愛着-受容型」のケアを提供しているが、それがややもすると「愛着-回避型」的な傾向が強いことを明らかにした。これは、被虐待児に対する看護ケアやアセスメントが皮相的に流れる傾向があり、容易に「怒り」や「否定」的アセスメントやケアにつながることを示唆していた。そこで本年は、これらの結果をふまえて、ケアアセスメント指標の作成を試みた。日頃、私たちがケアすることの多い被虐待児は、初期対応を必要としている段階の子どもである。彼らが示す態度や行動を否定的な側面からの問題行動としてとらえるのではなく、これまで彼らが過ごしてきた虐待的環境への適応行動としてとらえることに留意し、初期対応時、彼らが最も必要としている安全性と依存欲求を保証すること、その上にたって、子どもの活動意欲を引き出すための指標づくりを意図した。さらに、ネグレクトを受けた乳児と母親に対してこの指標を用いて、実際にその有効性を検証した。また、これら3年間の研究成果の報告書を作成中である。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 鈴木敦子: "被虐待児への初期対応とアプローチ" 小児看護. 20・7. 886-891 (1997)
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[Publications] 楢木野裕美: "入院・治療している被虐待児のケアのポイント" 小児看護. 20・7. 892-895 (1997)
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[Publications] 楢木野裕美: "被虐待児のケアに対する看護婦の認識の全体像" 第44回日本小児保健学会講演集. 72-73 (1997)
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[Publications] 鎌田佳奈美: "虐待を受けた子どもへの入院ケアの分析" 日本小児研究学会誌. 6・1. 36-37 (1997)