1995 Fiscal Year Annual Research Report
高齢者介護による家族機能の変容過程の研究-ケアリング機能の長期観察から-
Project/Area Number |
07672525
|
Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
上原 ます子 大阪大学, 医学部, 助教授 (10203473)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石井 京子 藍野学院短期大学, 看護学科, 助教授 (30259494)
|
Keywords | 家族ケアリング / 高齢者ケア / 家族機能の発達 / 家族関係 |
Research Abstract |
家族のケア機能を測定する指標をCPR指標とLeiningerのケアリング構成要素から42項目を作成した。健康な高齢者の家族として、老人大学受講者の家族317名、健康障害時の家族として老人病院入院時の家族332名から質問紙調査の結果有効な回答が得られ、因子分析の結果両調査ともに3因子28項目が寄与率41〜43%で抽出された。高齢者の健康状態の差や配偶者と子供世代という続柄が異なっても因子は共通であり、α係数も0.75〜0.91であり、理論的整合生からも家庭ケア機能を測定するために妥当な尺度であると判断した。 高齢者の健康時と健康障害を持つ入院時での家族ケア指標の変化に関係する要因を明らかにするために、3因子の量的な変化を比較すると、健康時に比べ第1因子(情緒・行為援助)と第2因子(疎外)の顕著な増加が認められた。家族ケア指標得点を従属変数とした重回帰分析により各因子への関与要因を検討した結果、高齢者自身からの家族への関与および家庭介護の有無が両調査とも最も影響していた。 入院中調査は1995年6月現在入院中の302名の家族を対象に同様の指標について郵送調査を実施した。216名(71.2%)の回答が得られ、現在詳細は検討中であるが、特徴的な変化は情緒・行為援助因子は低下、疎外の進行、受容要因も低下し、高齢者との関係の希薄化が進んでいた。 また、退院後調査は1991〜1994年の家庭退院患者家族179名を対象として郵送調査を行い、75名(41.9%)より回答が得られた。そのうち家庭介護を継続しているのは33名であり、現在事例分析中である。
|
Research Products
(2 results)