1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07672529
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Research Institution | OITA MEDICAL UNIVERSITY |
Principal Investigator |
豊澤 英子 大分医科大学, 医学部, 助教授 (40253801)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中野 重行 大分医科大学, 医学部, 教授 (10033341)
小手川 喜美子 大分医科大学, 医学部, 教務員 (20244171)
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Keywords | 老人患者 / 服薬コンプライアンス / 患者-医師関係 / ノンコンプライアンス / 薬効評価 / 副作用 / 看護介入 / 多剤服用 |
Research Abstract |
研究目的: 本研究は、老年者の服薬コンプライアンス(遵守)に関与する要因を若年者との比較により明らかにし、コンプライアンス改善のための看護介入方法についての知見を得ることを目的とした。 研究方法 通院治療中の老年者(65歳以上)および若年者(64歳以下)のうち、研究の目的と方法について説明し、同意を得ることができた患者を対象として面接調査を行い、服薬コンプライアンスに影響する要因を検討した。また、ノンコンプライアンス行動を示した患者の追跡調査を行うことにより、服薬コンプライアンスの改善を目的とした看護介入の有用性を明らかにした。 統計解析は、t-test、Mann-Whitney U-testおよびKruskal-Wallis testを用いた。 研究結果および考察: 1.調査対象者は老年者101名と若年者105名であり、老年者は若年者より服用している薬剤の種類が多く、複数処方の実際を担当医師に報告する割合が高かった(各々 P<0.01,P<0.05)。患者自身による服薬遵守の評価(0〜100点)は、老年者92点、若年者85点であり、老年者が有意に高かった(P<0.01)。また、飲み忘れは老年者に少なく(P<0.001)、服薬の自己調節は両者に有意差を認めなかった。自己調節の第1の理由は副作用への不安であった。老年者・若年者ともに、治療期間が5年以下の者あるいは治療効果有りと判断した者ではコンプライアンス値は良好であった(各々 P<0.05)。 2.ノンコンプライアンス行動を示した患者10名を6ヶ月間追跡調査した結果、定期的に面接し、服薬指導および健康問題に関するコンサルタントを行うことが、患者の服薬コンプライアンスを改善することが明らかになった。看護ケアプランに基づく看護介入が有効であることが示唆された。 結語: 老年者は、若年者に比し、服薬に対する関心が高く、望ましい服薬行動をとっていた。また、治療期間、治療効果に関する患者の認識および薬物治療への不安が、老年者および若年者の服薬コンプライアンスに影響することが示唆された。
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Research Products
(2 results)