1995 Fiscal Year Annual Research Report
手指局所寒冷負荷に対する生体防衛反応-冷風負荷試験の臨床応用に関する基礎的研究-
Project/Area Number |
07680028
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Fukuoka University of Education |
Principal Investigator |
長山 芳子 福岡教育大学, 教育学部, 助教授 (00117045)
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Keywords | 冷風負荷皮膚温テスト / 指尖皮膚温 / 局所寒冷 |
Research Abstract |
冬季や寒冷地あるいは冷温冷凍作業など寒冷暴露環境において、手指末梢局所が冷却される場合は、生体全体の寒冷暴露時とは異なった生理反応を生ずると言われる。この手指局所寒冷時の生態防衛反応を研究する場合は、氷水を用いる冷水負荷試験が一般的である。しかし、氷水中に素手を長時間浸漬することは著しく苦痛を伴い、しかも水中での手指表面皮膚温の測定は困難である。そこで本研究では、冷風負荷皮膚温テストに着目した。これは共同研究者の井上らが発案し開発中の冷風負荷皮膚温テスト装置を用いた方法であり、被験者に著しい苦痛を与えること無く、客観的にレイノ-現象を主徴とする末梢循環動態を把握できる点で優れた検査法とされる。本研究は、この冷風負荷皮膚温テストを、従来の氷水浸漬に代わる方法として開発することを目的とした。 本年度は、冷風負荷皮膚温テストによる手指局所寒冷暴露に対する指尖皮膚温および心電図の影響を検討した。被験者は健康な成人女子とし、室温23℃の人工気候室において、冷風負荷皮膚温テスト装置を用い、左手部を冷風(5℃)に暴露させた。実験の結果、指尖皮膚温は冷風負荷開始直後から漸次低下し、その後は上昇と下降を繰り返すHunting現象を確認した。心拍数の変動は小であった。さらに、指尖皮膚温の変化量を説明する指標について検討し、冷風負荷皮膚温テストは手指局所寒冷負荷試験方法として有用であることを示唆した。
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