1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07680036
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Research Institution | OSAKA KYOIKU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
奥田 豊子 大阪教育大学, 教育学部, 教授 (90047308)
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Keywords | 高タンパク食 / 骨粗鬆症 / 骨重量 / 骨塩量 / コラーゲンペプチド / 分離大豆タンパク質 / 骨強度 / 運動 |
Research Abstract |
タンパク質の過剰摂取は尿中へのカルシウム排泄を増大させるが、骨塩代謝への影響については明かではない。骨粗鬆症を予防するために運動の重要性が叫ばれているが、運動時の摂取エネルギー増大に伴う、タンパク質の過剰摂取と骨塩代謝との関連性についての報告もほとんどみられない。15週令のSprague-Ddwley系雌ラットの卵巣を摘出し、骨粗鬆症モデルラットとして,25%カゼイン食、50%カゼイン食、50%分離大豆タンパク食(SPI)、25%カゼイン+25%コラーゲンペプテチド(LCP)食、25%SPI+25%LCP食を12週間投与した。LCPを組み合わせた群にはそれぞれ運動群も設定し、高タンパク食のタンパク源と自発運動の骨塩代謝に及ぼす影響を検討した。飼料摂取量、体脂肪率、終体重は50%タンパク食のタンパク源の違い、運動による影響は認められなかった。内臓周囲脂肪重量は、カゼイン+LCPの運動群では他の群の1/2以下と有意に少なく、自発運動により内臓周囲脂肪の蓄積が抑えられたことを示した。50%のカゼイン食では尿中カルシウム排泄量が25%カゼイン食の約10倍と高くなったが、吸収量に比較し、尿中排泄量はわずかにすぎないので、体内カルシウム蓄積量、大腿骨重量、カルシウム含有、強度には差が認められなかった。SPI群のカルシウムの尿中排泄量はカゼイン群より有意に低かったが、SPI+LCP群ではSPI群より有意に高く、カゼイン群と差がなかった。骨破断強度は各群間に差がなかったが、体重当たりの骨破断強度は、カゼイン+LCPの運動群が他の群より有意に高かった。カゼインやSPI単独の群と、カゼインやSPIにLCPを加えた群に分けて検討すると、LCPを加えた群の大腿骨重量、カルシウム、マグネシウム含量は有意に高く、大腿骨、上腕骨強度は高い傾向を示した。 以上の成績よりラットでは、高タンパク食で尿中排泄カルシウム量は増加するが、尿中排泄量がわずかなので、骨塩代謝への影響は小さいこと、コラーゲンペプチドが骨塩代謝を促進させていることが示唆された。
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