Research Abstract |
「他者受容(思いやり)」が育つ前提として「自己受容」すなわち自分の欲求が必要に応じて満たされる環境の中で,自分の感情を素直に表出し,ありのままの自己を受け入れてもらうことを体験することが必要条件となるのではないか,しかもその体験は乳児期および幼児前期が大切な時期となるのではないか-との仮説のもとに,2名の個体追跡を行っている。すでに作製した幼稚園1園,年長児男児30名,女児33名,計63名を対象に思いやりの仮行動項目大項目10((1)相手の気持ちを汲もうとする,(2)相手の気持を汲んでもらおうとする,(3)相手を援助しようとする,(4)みんなと協力しようとする,(5)情緒を素直に表出する,(6)アイディアを豊かに表現する),(7)相手と気持ちを共有する,(8)相手との関係を深めようとする,(9)相手の心に積極的に関心をもつ,(10)人や場の雰囲気に気づき,判断しようとする,小項目50項目を考慮したとき,0歳児群,1〜2歳児群において,以下の項目が主要項目になるのではないかと考えている。 0歳児の場合 受容される体験…泣きへの対応,快感情への対応,養護への期待((2),(7)) 情緒の安定…愛着行動((2)) 自己受容…情緒表出((5))要求表出((2)) 自己実現(充実活動)…自己活動((5),(6),応答を求める,喃語の発声((8)) 感性…気づく((9),(10)) 1歳児の場合・2歳児の場合 受容される体験…葛藤克服過程,承認受容を求める((2),(7)) 情緒の安定…愛着行動((2),(8)) 自己受容…情緒表出((5))要求表出((2)) 自己実現…充実活動,模倣行動,援助葛藤,けんか((6),(7)(3)(8)(9)(1)(2) 感性…気づく((9)(10))
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