1995 Fiscal Year Annual Research Report
食品中の水の存在状態に関する研究-主として高水分活性領域における水の挙動
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07680042
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Research Institution | Kyoritsu Women's University |
Principal Investigator |
野口 駿 共立女子大学, 家政学部, 教授 (50086708)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 之紀 共立女子大学, 家政学部, 助手 (50226015)
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Keywords | 水分活性 / 浸透圧 / 糖 / 緩和時間 / 分子間相互作用 |
Research Abstract |
1.凍結法および水分活性(aw)測定装置による水分活性値の比較 臭化リチウムなど文献的にaw値が既知である水溶液のaw値を本年度申請のaw計で測定し、精度を調べた結果、aw0.3〜0.7での同一試料の測定値のバラツキは少なかったが、文献値よりも高い値を示す傾向があった。それら以外のaw(特にaw0.2以下)ではaw0.06の場合のように値のバラツキ(0.07±0.04,Ave.±SD)が大きかった。また、センサーのロットによるバラツキが浸透圧濃度の変化に対応するだけの感度が期待されなかったため、高いawを示す水溶液の分子間相互作用を多点同時測定で迅速に追跡するには問題が残され、同一センサーを使用する必要性が示された。 (1)非電解質水溶液系;食品に用いられる場合が多いグルコースやスクロースの飽和水溶液を順次希釈した水溶液のaw値を同一のセンサーで測定した結果、aw値の測定誤差は0.02以下で、一検体に要する時間は6分間であった。 (2)電解質水溶液系;凍結法による浸透圧濃度が測定された臭化リチウムやNaCl水溶液では濃度が高くなってもaw値の低下は明らかではなかった。したがって、溶液の分子間相互作用の追跡を行う場合には浸透圧濃度を測定するほうが溶液のawを測定する方法に比べて感度が高いことが示された。 2.従来の方法による基礎データの集積;臭化リチウム水溶液を用いて検討した結果、aw0.5以下ではaw値が低いぼどの水和能力(緩和時間T_2値の逆数)は高かったが、そのawよりも高いawの場合には水和能力はほとんど変化しなかったことから、溶液内の水分子の回転運動は低いawを示す溶液でしか拘束されないことが示唆された。
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