1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07680044
|
Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
|
Research Institution | Showa Women's University |
Principal Investigator |
森高 初惠 昭和女子大学, 生活科学部, 助教授 (40220074)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福場 博保 昭和女子大学, 生活科学部, 教授 (80017219)
西成 勝好 大阪市立大学, 生活科学部, 教授 (10254426)
|
Keywords | ジェランガム / ゼラチン / 水溶性大豆多糖類 / レオロジー / テクスチャー / DSC |
Research Abstract |
高齢者にとって食べやすく、喉越しの良い、嗜好性の高い混合ゼリーの中で、当該年度はゼラチンとジェランガム、水溶性大豆多糖類とジェランガム混合ゼリーの熱および力学測定を行い、その性質およびゲル化機構の解明を目的として実験をすすめてきた。 ゼラチンとジェランガム混合ゼリーの降温DSC曲線において、高温側と低温側に二種類の発熱ピークが見られた。その形状は単独ジェランガムやゼラチンと相似であったことより、混合試料のゾルからゲルへの構造変化は、単独ジェランガムや単独ゼラチンと同じシステムで変化するものと推測された。ジェランガムの発熱ピーク温度は単独の場合より高温側にみられた。ジェランガムとゼラチンを混合した場合、水の奪い合いを生じジェランガムの水分はゼラチンに奪われて減少し、高濃度でゲルが形成されると考えられた。5%ゼラチンと1%ジェランガム混合ゼリーの破断強度の実測値と分散系の理論より算出した理論値を比較すると、ゼラチンの混合割合3/4と1/4では実測値は理論値よりも大きく、混合割合1/2では実測値と理論値はほぼ同じであった。ジェランガムあるいはゼラチンの混合割合を低くした場合、混合割合の低い高分子の分散粒子を包含した混合割合の高い高分子の連続相を持つゲル構造を形成し、混合により単独の場合より強固なゼリーを形成すると推測された。この結果は、食素材を少ない量で効率的に利用できることと、滑らかさの程度を自由に調節できるために、誤嚥による健康障害を未然に防止できるゼリーの形成が可能であることを示している。また、食物繊維を手軽に摂取する試みとして、水溶性大豆多糖類をジェランガムに混合した結果、水溶性大豆多糖類のある濃度まで貯蔵弾性率は増加し、それ以上の濃度では減少したが、水溶性大豆多糖類の混合により脆さを調整できるために、嚥下機能にあったゼリーの形成が可能であった。
|