1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07680044
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Research Institution | Showa Women's University |
Principal Investigator |
森高 初恵 昭和女子大学, 生活科学部, 助教授 (40220074)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福場 博保 昭和女子大学, 生活科学部, 教授 (80017219)
西成 勝好 大阪市立大学, 生活科学部, 教授 (10254426)
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Keywords | 高齢者 / 食物繊維 / カルシウム / ゼリー / 力学特性 |
Research Abstract |
咀嚼能力や嚥下能力が低下した高齢者にカルシウムや食物繊維を補足させるための混合ゼリーを開発する中で、当該年度は食物繊維であるポリデキストロースを混合したジェランガムゼリーの研究を力学的手法により研究してきた。塩無添加およびCaCl_2添加ジェランガムにポリデキストロース3〜27%混合したゼリーと、比較のためにゲル化機構の異なるNaCl添加ジェランガムにポリデキストロースを混合したゼリーについて検討した。20℃の貯蔵弾性率および破断応力は、塩無添加の場合、ポリデキストロースの濃度が増加するに従い増加した。CaCl_2添加ゼリーでは、低濃度のCaCl_2の場合あるポルデキストロース濃度で貯蔵弾性率は最大値を示し、その濃度以上では減少したが、その変化は小さいものであった。CaCl_2の濃度が高い場合、ポリデキストロース濃度が増加すると貯蔵弾性率および破断応力は減少した。破断ひずみは、どの系においてもポリデキストロース濃度が増加すると減少し、脆くなった。順位法により塩濃度およびポリデキストロース濃度の異なる8種のゼリーについて官能評価を行った結果、8mMCaCl_2添加ジェランガムに、18%のポリデキストロースを混合したゼリーの総合評価が最も高く、飲み込み易さについては有意差のみられないゼリーが多かった。今回使用したポリデキストロース混合ジェランガムゼリーは、機器測定においては大豆食物繊維添加ゼリーほど試料間に極端な差がみられず、また嗜好的にはポリデキストロースを多く混合したゼリーの方が好まれていた。ポリデキストロースは水溶性食物繊維で繊維の含有量は90%以上もあり、ポリデキストロースを3%混合したゼリーでは、ゼリー100gで3g以上の食物繊維の摂取が期待できるため、ポリデキストロース混合ゼリーは高齢化社会にとって将来性のある食品と考えられた。
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