1996 Fiscal Year Annual Research Report
新しい食品成分間相互作用によるビタミンE増強効果に関する研究
Project/Area Number |
07680051
|
Research Institution | Sugiyama Jogakuen University |
Principal Investigator |
山下 かなへ 椙山女学園大学, 生活科学部, 教授 (40080113)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
飯塚 佳恵 椙山女学園大学, 生活科学部, 助手 (50257573)
大澤 俊彦 名古屋大学, 農学部, 教授 (00115536)
|
Keywords | ゴマ / セラミノール / α-トコフェロール / γ-トコフェロール / 胆汁 / 吸収 / ラット |
Research Abstract |
ゴマまたはゴマリグナンにより生体内トコフェロール濃度上昇の機構を次の2つ実験で調べた。 実験1「ゴマはトコフェロールの胆汁への排泄を抑制するか。」 α-Tocはγ-Tocより生体内濃度は際立って高い。これは肝臓に存在するα-トコフェロール輸送タンパク質(αTTP)との結合能の弱いγ-Tocは胆汁中に速やかに排泄されるので、生体内濃度は低いと説明されてきた。そこで、ゴマ摂取により生体内のトコフェロール濃度が著しく上昇するのは、ゴマ成分がトコフェロールとαTTPの結合を強め、胆汁中へのトコフェロールの排泄を抑制していると考え、胆汁を採取してトコフェロール量を測定した。今回はα-Tocを含まない(1)γ-Toc、(2)20%ゴマ+γ-Tocの2群で、飼料中のγ-Toc量を300mg/kgと同一にして比較した。ゴマ摂取群は血漿・肝臓のγ-Toc量はγ-Toc群の数倍と著しく増大していたが、胆汁中のγ-Toc量も血漿・肝臓同様ゴマ群で顕著に高かった。胆汁中のToc量は肝臓中のToc量と相関していたが、量は極めて少なく、ゴマはγ-Tocの排泄を抑制することによって生体内濃度を高めているではないことが分かった。 実験2「セサミノールはトコフェロールの吸収を促進するか。」 (1)20mgトコフェロール・トコトリエノール混合物(Tmix)毎日、(2)20mgTmix+0.1%セサミノールを毎日、(3)40mgTmixと0.2%セラミン-ルを交互隔日投与の3群のラットでビタミンE活性を比較した。その結果、(1)20mgTmix毎日投与群はビタミンE活性は低かったが、(2)の0.1%セラミール添加でビタミンE活性は著しく上昇し、また、Tmixとセサミノールを隔日に摂取する(3)でも活性は上昇し、(2)と(3)ではほぼ同じ程度にセサミノールの効果が認められた。セサミノールのビタミンE活性増強効果はビタミンEの小腸からの吸収以外のところで発現することが認められた。
|
Research Products
(7 results)
-
[Publications] 山下かなへ: "生体内トコフェロールの局在に及ぼすゴマ投与の影響" ビタミンE研究の進歩VI. 122-127 (1996)
-
[Publications] 山下かなへ: "ゴマの老化抑制効果" 食の科学. 218. 33-38 (1996)
-
[Publications] 飯塚佳恵: "ゴマリグナン物質のラット生体内α-トコフェロール濃度増強効果に対するリグナンの種類およびトコフェロール濃度の影響" 日本栄養・食糧学会誌. 49. 149-155 (1996)
-
[Publications] 飯塚佳恵: "トコフェロール同族体混合物に対するゴマリグナン物質の活性増強効果" ビタミンE研究の進歩VII. 63-69 (1996)
-
[Publications] K.Yamachita: "Sesame Seed and Its Lignans Produce Marked Enhancement of Vitamin E Activity in Rats Fed a Law α-Tocopherol Diet" Lipids. 30. 1019-1029 (1995)
-
[Publications] 今井具子: "生体内トコフェロール量に及ぼすゴマ投与の影響" 日本家政学会誌. 46. 627-633 (1995)
-
[Publications] K,Yamashita: "Natural Antioxidants and food Quality in Atherosclerasis and Cancer Prevention" The Royal Society of Chemistry, 449 (1996)