1997 Fiscal Year Annual Research Report
細胞外のイオン環境変化が血管の反応性と細胞内カルシウム動態に及ぼす影響
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07680060
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Research Institution | Nakamura-Gakuen Junior College |
Principal Investigator |
阿部 志麿子 中村学園短期大学, 食物栄養科, 講師 (60192994)
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Keywords | マグネシウム / 血管平滑筋 / 細胞内カルシウム濃度 / FuraPE3 / ノルエピネフリン / カフェイン / WKY / SHR |
Research Abstract |
1.マグネシウム(Mg)欠乏食飼育ラットについて 生後4〜5週令の雄性WKYまたは雄性自然発症高血圧ラット(SHR)に低Mg食(Mg<1mg/100g飼料)を与えMg欠乏ラット(Mg欠乏群)を作成した。WKYとSHRのMg欠乏群の成長率はそれぞれの対照群(普通食投与ラット)に比し有意に低値を示した。さらに、Mg欠乏群の血清Mg濃度はそれぞれの対照群に比し有意に低値を示した。また、SHRの収縮期および拡張期の血圧はWKYのそれに比べて有意に高値を示したがそれぞれの対照群とMg欠乏群間では有意な差は認められなかった。 2.大動脈血管平滑筋の細胞内カルシウム(Ca)動態と収縮能ならびに血管内皮機能について ラット大動脈の微小血管条片にCa指示蛍光色素FuraPE3を負荷し細胞内Ca濃度変化と張力変化を同時測定した。また、血管内皮機能に対するMgの影響についても検討した。 (1)Mg欠乏ラット血管平滑筋の反応性について 細胞外にCaが存在する場合、WKYのノルエピネフリン(NE)刺激に対する血管平滑筋の発生張力と細胞内Ca濃度上昇についてはMg欠乏群が対照群に比し大きい傾向を示した。しかし、細胞外Ca非存在下のNE刺激やカフェイン(Caf)刺激に対しては両群間に差は認められなかった。他方、SHRでは細胞外Caの存在の有無に関わらずNE刺激やCaf刺激に対する反応性は両群間に有意な差は認められなかった。また、非刺激状態のSHRの細胞内カルシウム濃度はWKYラットに比べ有意に高値を示した。 (2)Mg欠乏ラットの血管内皮機能について 血管内皮機能についてはMg欠乏群と対照群との間には有意な差は認められなかった。
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