1995 Fiscal Year Annual Research Report
^<31>P-NMRによる無機燐酸の動態からみた運動中の筋線維動員パターンの推定
Project/Area Number |
07680114
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
吉田 敬義 大阪大学, 健康体育部, 教授 (30097331)
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Keywords | ^<31>P-NMR / 筋の酸素化状態 / Piピーク分裂 / 筋線維タイプ |
Research Abstract |
6名の男性長距離選手に膝伸展運動を行わせ,運動中および2分間のactve recoveryとpassive recoveryとにおける無機リン酸(Pi)およびクレアチンリン酸(PCr)の動態を^<31>P-MRS(2.1-Tsuperconducting magnet)によって測定した。被験者の年齢は19.8歳(±0.4SEM),身長は168.3cm(±1.6SEM),体重体54.2kg(±1.4SEM),最大酸素摂取量は70.8mlkg^<-1>min^<-1>(±1.9SEM)であった。Passive recoveryでは最大負荷60%強度の2分間膝伸展運動後に安静を保たせた.Active recoveryでは回復期に無負荷の運動を行わせた.運動時,PCrはpassive recovery testでは47.5±2.3%変化し、active recovery testでは49.0±5.0%変化した。一方、Piはpassive recovery tesでは71.9±3.9%変化し、active recovery testでは64.1±3.5%変化した。運動中,Piのピークは高pHと低pHとに分かれた.運動後にPiのピークは減少したが,その減少パターンはactiveとpassive recoveryとで異なるものであった。Passive recoveryでは,高pHのPiのピークは低pHのピークよりも速く消失した.低pHのPiのピークは運動中の状態とほぼ同程度の値を保っていた.一方,active recoveryでは,高pHのPiのピークは減少したが残っており,低pHのPiのピークは運動前のレベルへ非常に速く戻り消失した.低いpHの回復率は,active recovery(0.095±0.019pH unit/min)でpassive recovery(0.014±0.019pH unit/min)よりも有意に速い値を示した(p<0.01).Passive recoveryでの低pHのPiが遅く消失したという結果はグリコーゲンの利用が止まったことと,解糖する筋線維への酸素供給が不十分であったことによって説明される.一方active recoveryで低pHのPiが速く消失したことは,血流が維持された結果,筋への酸素供給が十分であり,また乳酸が効率良く除去されたためであると考えられる.
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