1995 Fiscal Year Annual Research Report
Fatigue thresholdの推定法・生理的意義・競技への応用に関する研究
Project/Area Number |
07680120
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
福場 良之 広島大学, 原爆放射能医学研究所, 講師 (00165309)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古賀 俊策 神戸芸術工科大学, 芸術工学部, 助教授 (50125712)
うす井 祥夫 広島大学, 総合科学部, 助教授 (10116543)
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Keywords | スポーツ・パフォーマンス / 激運動 / アネロビック・パワー / 運動生理学 |
Research Abstract |
十数分以内で疲労困憊に至るいくつかの異なった強度の運動を行うと、その発揮パワー(P)と運動継続時間(t)は、ある漸近レベルのパワーをもつ双曲線: (P-θF)・t=W'として記述できる。この漸近レベルはfatigue threshold(θF)と呼ばれ、特久性スポーツ成績を極めてうまく予測できる実用的な指標として認識され始めている。一方,一定値W'は無酸素性エネルギーリザ-ブといった概念に相当すると予想される。従来の指標:V02maxやATに対して、θFとW'はそれに加えて、もしくはそれ以上に意味のある指標である可能性が高いと考え,我々は一連の研究計画を立案した。第1年度である平成7年度は,現在のθFとW'の推定法に存在する,測定が煩雑で著しく日数がかかるという欠点を解消する目的で,より簡便な推定方法の開発を試みるための基礎的実験を行った。まず従来の推定法に従って,各種の運動強度のstep運動を実施しその継続時間を測定することでP-t双曲線を求め,θFとW'を推定した。さらに,いくつかの異なった傾きのramp運動を疲労困憊まで行わせその継続時間を測定した。step運動のP-t双曲線から推定されたθF・W'を外的基準として,各ramp運動中でθFに相当するパワー以上で発揮された総仕事量を算出し,基準となるstep運動からのW'と比較してみたところ,両者の値の間にはあまりよい一致性は認められなかった。一方,予期せぬ成果として,W'に予想を上回る大きな個体差が認められた。このことは我々に,W'の生理的意味付けに関して基礎的検討を行う必要性のあることを強く印象づけた。そこで,当初に立案されていた平成8年度のθFの生理的意味付けについての基礎的検討の実験計画に加えて,グリコーゲン枯渇条件と対照の両条件下でのW'を比較し,W'の生理的規定要因に関する仮説である無酸素性エネルギーリザ-ブに相当するものか否かについて検証する第2の実験が立案されている。
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