1995 Fiscal Year Annual Research Report
運動制御におけるfastおよびslow運動単位の役割に関する基礎的研究
Project/Area Number |
07680121
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
河合 洋祐 山口大学, 教養部, 教授 (00035148)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮田 浩文 山口大学, 教養部, 助教授 (90190793)
皆川 孝志 山口大学, 教養部, 教授 (50035143)
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Keywords | 運動制御 / 平衡機能 / fast運動ニューロン / slow運動ニューロン / IaEPSP / 外側前庭核 / 単シナプスEPSP / 膜特性 |
Research Abstract |
姿勢制御など身体の平衡機能は筋紡錘由来のIa線維と前庭脊髄路の入力が強く関与することが知られている。本研究の第1の目的はIa線維の単シナプス性EPSP(IaEPSP)と外側前庭核(DN)の単シナプス性EPSP(DNmonoEPSP)をα運動ニューロン(MN)のタイプ別に比較することによって運動制御、特に平衡能調節におけるFastおよびSlow運動単位の役割を明らかにする基礎的データを得ることである。第2の目的はDNおよびIaEPSPの可塑性を調べ、平衡機能の学習に関連する基礎的データを得ることである。このために、麻酔したネコを用いて下腿三頭筋を支配するMNの膜特性とIa線維あるいはDN刺激によって得られたIa EPSPおよびDNmonoEPSPとの関係を調べた。 1.基電流の小さいMNは後過分極電位(AHP)の持続時間が長く、IaEPSPの振幅が最も大きかった。一方、基電流の大きいMNにはAHPの持続時間が短いものと長いものが見られ、前者はIaEPSPの振幅が最も小さく、後者のIaEPSPは中間の大きさであった。 2.膜抵抗の大きいMNはIaEPSPの振幅が大きかった。一方、膜抵抗の小さいMNではIaEPSPの振幅が小さいものと比較的大きいものがみられた。 3.DNmonoEPSPの振幅はIaEPSPに比較してかなり小さく、Ia線維とは異なり、DN刺激では単シナプス性EPSPの誘発されないMNも見られた。 4.AHPの持続時間が長く基電流が小さいMNではDNmonoEPSPの振幅は大きく、AHPの持続時間が短いMNは基電流の大きさに関わらずその振幅は小さい傾向にあった。 5.現在、DN刺激によって単シナプス電位の誘発されないMNについて検討するために脊髄前索部刺激によって得られたシナプス電位とDN刺激で誘発されたシナプス電位とを比較検討中である。
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