1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07680122
|
Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
杉浦 崇夫 山口大学, 教育学部, 助教授 (80136150)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮田 浩文 山口大学, 農学部, 助教授 (90190793)
|
Keywords | 骨格筋 / ミオシン重鎖分子種 / 部位差 / 筋線維タイプ |
Research Abstract |
5週齢の雄ラットヒラメ筋の近位部、筋腹部、遠位部から1772本の単一筋線維を作成し、ミオシン重鎖分子種(MHC)の発現の部位差について検討した。さらに、近位部と遠位部について厚さ10μmの連続横断切片を200枚作成し、myofibrillar actomyosin ATPase染色による組織化学的検討も行った。 その結果、発現するMHCはIやIIaに加えIIdや新生児型のMHCも発現している筋線維が見られ、9種類のパターンが観察された。各部位で2種類以上のMHCが混在する筋線維の比率は、遠位部(36.2±8.1%)、筋腹部(38.5±7.9%)、近位部(26.7±7.8%)であり、遠位部と筋腹部は近位部に比べ有意(P<0.05)に高値であった。また、いずれの部位とも2種以上のMHCが混在する筋線維の比率は、前回報告した10週齢に対し5週齢の方が有意(P<0.05)に高い値であった。 組織化学的に分類されたType I線維比は、遠位部(60.6±2.3%)に近位部(64.5±1.6%)で有意(P<0.05)に高い値であった。また、いずれの部位ともTypeI線維比率は、10週齢に比し5週齢の方が有意(P<0.05)に低く、Type IIa線維比は有意(P<0.05)に高い値であった。さらに、Type IICと分類された筋線維の染色強度(Optical Density;OD)は各部位とも一様ではない筋線維が多く観察された。 ラットヒラメ筋は、発育に伴いType IIa線維比が減少しType I線維比が増加することが知られている。以上の結果は、発育時に見られるラットヒラメ筋の筋線維タイプの移行は筋全体で一様に起こるものではなく、近位部の方から筋線維タイプの移行が起こることを示唆する。
|