1996 Fiscal Year Annual Research Report
継続的な運動がストレス時の循環反応に及ぼす効果とそのメカニズム
Project/Area Number |
07680123
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
丹 信介 山口大学, 教育学部, 助教授 (00179920)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
曽根 涼子 山口大学, 教育学部, 講師 (50271078)
西保 岳 山口大学, 医学部, 助教授 (90237751)
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Keywords | 自発走運動 / ストレス / 血圧 / 心拍数 / CRF / ラット |
Research Abstract |
本研究では、強制運動に比べてストレスの影響が少ない自発走運動を継続的に行うことが、運動とは異なるストレスにより誘発される循環反応にどのような影響を及ぼすかを検討した。また、継続的な自発走運動が運動とは異なるストレス時の循環反応に影響を及ぼすメカニズムについて、脳内CRFの役割から検討を加えた。 実験には5週齢のラット12匹を用い、自発走運動群とコントロール群の2群に分けた。自発走運動群のラットは回転車付きケージで飼育し、コントロール群のラットは通常のケージで飼育した。12週間の自発走運動期間終了後、両群のラットの脳室内にCRF受容体拮抗薬でα-helicalCRF 10μgあるいは人工脳脊髄液をそれぞれ前投与した後、飼育ケージから底に約1cmの水が入った別のケージにラットを移す、いわゆるケージ交換ストレス、あるいは金網でできた固定器の中にラットを入れるという拘束ストレスをそれぞれ1時間負荷し、その際の血圧や心拍数の変化をテレメトリーシステムを用いて、無麻酔、無拘束の状態で測定した。その結果、人工脳脊髄液前投与後にケージ交換ストレス、あるいは拘束ストレスを負荷した時の血圧、心拍数の増加反応は、自発走運動群とコントロール群との間で優位な差は認められなかった。また、CRF受容体拮抗薬の前投与は、人工脳脊髄液前投与に比べて、ケージ交換ストレス時の循環反応を両群ともに減弱させる傾向にあったが、両群の間で差は認められなかった。さらに、拘束ストレス時の循環反応に対するCRF受容体拮抗薬の影響は両群ともに認められなかった。 昨年度に比べて、今年度は自発走運動量が少ないこともあり、今回の結果からは、継続的な自発走運動により、運動とは異なるストレスを負荷した時の血圧、心拍数の増加反応に明らかな影響は認められなかった。したがって、影響を及ぼすメカニズムとして、脳内CRFが関与するか否かについても明らかにできなかった。
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Research Products
(1 results)