1997 Fiscal Year Annual Research Report
ペダリングスピードおよび負荷が下肢の二関節筋の筋活動に及ぼす影響
Project/Area Number |
07680138
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
形本 静夫 順天堂大学, スポーツ健康科学部, 助教授 (50053343)
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Keywords | パワー出力 / 力型とスピード型 / ペダリング / 筋電図 / 二関節筋 |
Research Abstract |
本研究の目的は、パワー発揮における“力型"と“スピード型"の被験者が、種々のスピードおよび負荷によるペダリング運動を行っているときの大腿部単関節筋および二関節筋の筋活動に対する神経系コントロールの違いを明らかにすることであった。被験者(一般成人男子12名)に対し、電動制御式自転車エルゴメータ(パワーマックスV)を用いて、体重の5、7.5、10および12.5%の負荷によるパワーテストを行い、力型とスピード型に分類した。これら2群の被験者に対して、体重1kgあたり2.5、3.5、4.5、5.5および6.5ワットのペダリング運動をペダル速度60rpmにて行わせるとともに、同じパワー発揮の自転車エルゴメータ運動をペダル速度50、70、90、110および130rpmにより行わせた。このとき、右側の外側広筋、大腿直筋、大腿二頭筋短頭および長頭の筋電図活動を表面電極法を導出・記録し、パワー発揮のタイプ別に単関節筋および二関節筋の放電量(μ Vsec/ペダル1回転)を観察し、検討した。ペダリング負荷の増加は、いずれの筋の放電量も直線的に増加させ、パワー発揮のタイプによる違いは認められなかった。ペダル速度の増加は、各筋の放電量の変化に異なる影響を与えた。ペダル速度の増加は、両群の外側広筋の放電量の推移に影響を与えなかった。しかし、大腿二頭筋短頭の放電量は力型においては高いペダル回転数(110rpm〜)では増加したが、スピード型ではこのような傾向は認められず、ペダル速度の増加とともに漸減する傾向を示した。また、ペダル速度の増加はスピード型における大腿直筋および大腿二頭筋長頭の放電量を漸減させたが、力群においては低減傾向は大腿直筋にしか認められなかった。したがって、パワー発揮における“力型"と“スピード型"を決定する要因の1つは、筋収縮速度の増加に伴う大腿二頭筋長頭(二関節筋)および短頭(単関節筋)の活動抑制あるいは促進に依存することが示唆された。
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