1995 Fiscal Year Annual Research Report
アメリカ合衆国南部における経済発展の地域差と分極化
Project/Area Number |
07680160
|
Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
|
Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
菅野 峰明 埼玉大学, 教養学部, 教授 (10114208)
|
Keywords | アメリカ合衆国南部 / 経済発展 / 分極化 |
Research Abstract |
アメリカ合衆国南部は1970年から80年代初期にかけて人口増加と経済発展が著しく、サンベルトとして注目された。しかし、1980年代中頃になると、南部の所得水準が向上したために、低賃金労働という比較優位性が低下し農村部における非農業部門の就業者数の伸びが緩やかになった。一方、南部の大都市圏内部のカウンティ(郡)では、ハイテク産業関連のオフィスや研究・開発機関、工場などが立地し、経済発展が続いている。また、南部における1980年代後期の非農業部門就業者数、所得水準、そして人口増加と人口移動などをみると、発展している地域と発展が停滞している地域に分かれ、分極化が進んでいる。 そこで本研究では、南部の経済発展の地域差による分極化の構造を就業者数、事業所数、一人当たり所得、人口増加、人工移動、教育、年齢構成、 人種構成などの変数との関連から分析して明らかにすることを目的とし、カウンティを単位として基本的な社会経済的変数を図化した結果、アパラチア山地のカウンティと海岸平野のカウンティの一部に経済発展の遅れた地域が認められた。一方、大都市圏内に含まれるカウンティは、中心都市からの人口流入、サービス業・オフィス業務の郊外化、工場の分散などにより人口増加率が高く、所得水準も高く、就業者数の増加も顕著で、経済発展を示していることが確認された。これにより、南部では経済発展の地域差と分極化の存在が明確になった。
|