1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07680190
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Komazawa University |
Principal Investigator |
吉野 和子 駒沢大学, 文学部, 教授 (00101329)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
榎本 浩之 北見工業大学, 工学部, 助教授 (00213562)
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Keywords | カルスト化 / 溶食量 / CO_2 / 石灰岩片 / スカラップ / 地下水系 / 降水量 / 石灰岩地域 |
Research Abstract |
ユ-ゴスラビア、桂林と秩父および観測地点のそれぞれの石灰岩を用いて石灰岩片を作成し、一年間の溶食量の測定を行った。各地点では、空中約1.5mと土壌中のA層位、B層位に設置した。その結果、同一地点の場合、桂林の石灰岩が溶食されやすいことがわかった。溶食量の地域差を汁ための、当麻(分担者榎本担当)、阿武隈、秩父(吉野担当)、秋吉台(吉野担当)、四国、龍河洞(鹿島担当)、南大東(吉野担当)で比較し、測定を行った。空中、土壌ともに、より南の降水量の多い地域ほど多く溶けるという一般傾向がみられる。また、その地点でも空中より土壌中で溶食が進行している。同時に溶食を決定する要因として土壌中のCO_2の測定を各地点で季節ごとに行い、その傾向を調べた。CO_2は降雨後約3日でピークに達するが、長期にわたって降水がない場合はCO_2は極めて低濃度であることがわかった。従って土壌中においては、短周期で降雨がある地域の方がよく溶ける。1995年は比較的降雨の多い年だったので、どの地点も、1994年の干ばつ年に比較すると、溶食量が大であった。 阿武隈地域では、地上の溶食の他に、カルスト化過程の体系化のため、地下系の洞窟内の現象にも目をむけて、洞内でも観察した。地下水の溶食の結果形成されるスカラップと流速の関係を明らかにし、この結果は、駒沢地理に発表した。今年度は、阿武隈地域におけるカルスト化過程を考察するためデータを回収できた。
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