1996 Fiscal Year Annual Research Report
海水飛沫帯における砂岩の侵触速度に及ぼす地形場の影響
Project/Area Number |
07680191
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
高橋 健一 中央大学, 文学部, 教授 (40129961)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松倉 公憲 筑波大学, 地球科学系, 助教授 (80107341)
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Keywords | 海水飛沫帯 / 砂岩 / タフォニ / 塩類風化 / 熱赤外線映像 / 赤外線水分計 / 地形場 |
Research Abstract |
1.野外調査結果:(1)満潮後の乾燥過程にある橋脚側面の熱赤外線映像は、今年も観測を継続した。特に、全天日射量の観測を加えて実施した。しかし、第2橋脚の熱赤外線映像を観測した直後から、橋脚の欄干取替工事用の足場が組み立てられ、6月〜11月間は観測不能となった。しかし、いままでの結果を総合すると、直達日射を受ける部分の高温域が日没後も長時間にわたり残存すること、潮間帯では冬期の北面をのぞき常に低温であること、日影部の温度分布が砂岩塊に対する海水供給量の分布と調和的であること、など、タフォニ様窪みの成因を示唆する知見がえられた。(2)橋脚の位置・高度にかんする測量成果の一部に不備な点が発見されたので、筑波大学の院生諸君の助力を得て再測量を実施し、完璧を期した。 2.室内解析:橋脚形状の再測量成果、橋桁の影の計算に基づき、全砂岩塊の日照条件を橋脚毎に再解析した。砂岩塊が受ける日射量と窪み深さとの関係は前年度報告した内容と変わらないが、日射量の指数を、従前のような直達日射量だけではなく、全天日射量との関係に置き換えることができたので、今後は全天日射量にもとづいた議論が可能となった。 3.室内実験:赤外線水分計の示す吸光度と岩石表層部の含水比との関係は、岩質毎に異なる。そのため、岩質毎に吸光度と含水比とのキャリブレーションカーブを知る必要がある。橋脚の砂岩塊と同種の、青島互層の砂岩塊について、詳細な実験を重ねた結果、赤外線水分計の示す吸光度と岩石表層部の含水比との関係は、簡単な一次式で表わされることが判明した。これについては、目下実験継続中である。
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