1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07680215
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kanagawa Prefectural Museum of Cultural History |
Principal Investigator |
新井 一政 神奈川県立歴史博物館, 学芸部, 専門学芸員 (00132910)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
奥野 花代子 神奈川県立歴史博物館, 学芸部, 主任学芸員 (30132913)
田中 徳久 神奈川県立歴史博物館, 学芸部, 学芸員 (60270691)
勝山 輝夫 神奈川県立歴史博物館, 学芸部, 主任学芸員 (20214356)
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Keywords | 博物館ボランティア / ボランティア活動活性化 / 生涯学習 / ボランティア制度 |
Research Abstract |
平成7年度には自然科学系の博物館を対象に、ボランティア制度導入に関する現状調査を実施するとともに、来館者、行事への参加者等から博物館ボランティアに対する認識について聞き取り調査を行った。 その結果、多くの博物館では、(1)控室等の施設・設備に余裕がない、(2)ボランティアに対応するための(館側の)人的余裕がない等の理由から、ボランティア制度導入の必要性は十分に理解していながらも、早急な対応ができない現状が示された。次いで、参加する側にも、ボランティア即ち身障者や老人の介助や罹災者への援助活動という認識が多く、「生涯学習におけるボランティア活動では、展示解説や実験・実習の演示等の活動を通して自分自身も向上する」という趣旨を理解している者は、ごくわずかであった。 平成8年度は、実際にボランティアを導入している博物館の現状を中心に調査を実施した。先に示したように、ボランティアを館の制度として正式に導入しているのは、国立科学博物館をはじめとして数館にすぎないが、現実には多くの自然科学系の博物館でボランティアが活動している。その活動分野は、さく葉標本の貼付けや昆虫標本の展翅・展足作業、液浸標本の薬液補充等の資料整理部門での作業が圧倒的に多い。 しかし、その実情は博物館共通の少ない人員と僅少なアルバイト予算をみかねて、担当学芸員との個人的なつながりによる文字通りの勤労奉仕が殆どであり、身分的な保証もなにもないものであることが多い。
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