1995 Fiscal Year Annual Research Report
コンピュータ通信を利用した教育プログラムのためのヒューマンインターフェースの改善
Project/Area Number |
07680236
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
野嶋 栄一郎 早稲田大学, 人間科学部, 教授 (20000086)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古西 浩之 早稲田大学, 人間科学部, 助手 (30277793)
佐古 順彦 早稲田大学, 人間科学部, 教授 (10000069)
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Keywords | コンピュータ通信 / 教育プログラム / ヒューマンインターフェース / コミュニケーション |
Research Abstract |
本研究の目的は、コンピュータ通信の様々なモード(同期/非同期、画像、音声、文字)の基本特性(情報伝達効率、感情・心象の伝達など)を対面という人間のコミュニケーションの基本状態と比較し、特に共同作業という状況下でどの様に異なるかを定量的に明らかにすることである。 本年度は、同期的にコンピュータ通信を利用した2種類の実験を行った。 1つ目は、文字をコミュニケーション媒体とし、通信相手の画像付加が交信内容の記憶にどのような影響を及ぼすか検討を行った。実験条件は、文字のみ、静止画像付加、動画像付加であった。その結果、文字のみの条件と動画像付加の条件の間に交信内容の再生量に差が見られた。コミュニケーションメディアが文字であり、画像と同様の視覚的な情報であったため、互いが干渉し再生量を低下させたと考えられた。なお、この実験結果は1995年度教育工学学会で発表した。さらに、文字の代わりに音声をコミュニケーション媒体として同様の実験を行った。この結果は、いずれの条件間においても差が見られなかった。このことから、上述したことが裏付けられると考えられる。 2つ目は、共同作業場面に囚人ジレンマゲームを採用した。利得点表を2種類利用し、異なる作業場面と想定し、画像付加が作業戦略にどのような影響を及ぼすか検討した。その結果、利得点表の違いにより、画像を付加した条件で画像なしの条件より、競争的選択が多いケースがある一方で、協調的選択が多いケースがあった。このことから、画像付加が必ずしもより良い環境ではなかったことが考えられる。 次年度は、様々なモードについてのコミュニケーション特性を検証するために、より長期的なコミュニケーション場面を設定して実験を進める。今回、明確に得られなかった対人認知の変容の側面などを明らかにし、より効率の良いヒューマニスティックな作業環境とはどのようなメディアであるかを検証していく。
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