1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07680260
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Tokyo Gakugei University |
Principal Investigator |
岸 学 東京学芸大学, 教育学部, 助教授 (40143622)
|
Keywords | 国語教育 / 説明的文章 / 文章表現 / 対話 / 口頭説明 |
Research Abstract |
(1)小学校児童における手続き的知識を伝える説明文表現の特徴の分析 東京学芸大学紀要第47集(1996)で報告したように、小学校2・5年生児童では、説明文を表現する際、説明対象の先行知識量がわかりやすさに影響すること、先行知識量が違わない場合には2・5年生間でも表現された説明文のわかりやすさに差がないことが明らかになった。また、先行知識量が異なる2課題間で、個人内の表現技能が安定しないことも明らかになった。 本年度ではこの結果を基に、小学校2・4・6年生と大学生を対象に、説明文表現の発達的変化を検討する目的で、児童がどのような表現をわかりやすいと判断し、またどのような表現を使う傾向にあるのかを求めた。その結果、2年生では大学生とは異なる基準でわかりやすさの判断を行っていること、わかりやすい表現と自分が使う表現とが一致するのか6年生以降であることが明らかになった。この結果は、平成9年度日本教育心理学会及び東京学芸大学紀要第49集にて発表予定である。 (2)対話による説明産出過程の規定因について 大学生を対象に、対話形式で説明を実施した場合、聞き手の知識状態の推測や説明対象に対する学習の進行状況によって説明表現がどのように変動するのかの基礎研究を行った。結果は、説明者・学習者双方にとってわかりやすいと判断される説明には、共通の説明内容があることを示すことができた。この研究内容は東京学芸大学紀要第48集(1997)に発表済みである。 本年度はこの結果をもとに、文章で説明する場合と口頭の場合とでそのわかりやすさが変動するか、また、説明表現の事前評価経験が説明表現の向上に寄与するかを検討した。その結果、文章・口頭間でのわかりやすさは個人内では安定しないこと、事前評価経験が表現向上に有効であることが示された。この内容は平成9年度日本心理学会にて発表する予定である。
|
Research Products
(2 results)