1996 Fiscal Year Annual Research Report
環境教育教材開発に関する基礎研究-森林空気環境の実態を探る-
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07680263
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Research Institution | Tokyo Gakugei University |
Principal Investigator |
鈴木 路子 東京学芸大学, 教育学部, 教授 (50092466)
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Keywords | 教材開発 / 授業過程 / 環境教育 / 森林 / 自然治癒力 / 樹齢 / 空気浄化作用 / 自律神経-内分泌-免疫系 |
Research Abstract |
日本人の敬虔な祈りと修行の場として畏敬されてきた森林の中の空気環境の実態を探るために、山梨県身延山に入った。樹齢数百年の樹林はうっそうとして、修行の場と直結した森林環境は、しっかりと樹木を支えた樹根、その下の湧き水と滝、昆虫と鳥類、これらが生態系を作って、見事な調和をそこにつくっていた。平成7年度は、樹木の空気浄化作用に注目し、木曽のひのき林ほか3カ所の森林において森林内空中微生物調査を行い、クラス100レベルの清浄度を保っていることを明らかにした。また森林内温湿度も鼻や喉の粘膜機能を含む呼吸機能を良好に保つ諸条件を備えていた。 最終年度である平成8年度は「森林と人の生命・健康」との相互的なかかわり合いを多角的に理解し、農学、工学、林学、生体学、建築学、環境保全学、等ですでに明らかになっている基礎研究を集大成しながら環境教育に導入するための教材開発に取り組むことであった。 教育の原点である「生きる力を育む」ための各領域からの融合カリキュラムとその教材を開発するために、1)森林内空気環境が如何に人を生かし、癒し続けてきたかを文献を含めて振り返ること、2)自然科学と人文科学を融合するパラダイムを構築すること、3)そのプロセスを教育開発として授業過程に生かすことを一連の流れとして念頭に置いた。すなわち、森林は人に対して、その自然浄化能力・加湿調整力によって浄化調整された空気を皮膚、呼吸器内粘膜に与え、自律神経-内分泌-免疫系の諸機能を調整し、人を「癒し」、自然治癒力(免疫力)をたかめる機序が導かれるという実証データの一部を提示した。 次いで地球規模で果たしてきた生態系の保全としての森林、水圏-地圏-気圏を調整する森林の役割は、地球を生命体とした科学教育の教材であると共に「森林の果たしてきた人間教育の根元」であることにも視点を置いた教材を編成した。人類の森林環境との共存を「森林」を育むその基礎理念も含めて融合カリキュラム「環境教育」(環境保全教育)教材開発のための基礎的研究成果が得られた。
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Research Products
(2 results)