マルチメディアを利用した点字楽譜学習システムの開発とその利用における教育学的意義

1995 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 07680271
• Research Category: Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
• Research Institution: Osaka Kyoiku University
• Principal Investigator: 橋本 孝之 大阪教育大学, 教育学部, 教授 (30026273)
• Keywords: 点字楽譜 / 墨字楽譜 / マルチメディア / 翻訳システム / 視覚障害者教育

Research Abstract

晴眼者(教師)がパソコン画面上の五線譜上で音符などを配置することで容易に楽譜の作成ができ、かつ様々な楽器による電子演奏もでき、さらにその点字楽譜をピンディスプレイおよび点字プリンタに出力出来るシステムを開発した。
開発したシステムは、次のような特色を有している。
(1)入力作業者にとっては、パソコン画面上の五線譜上で各種の音符や記号がマウス操作のみで容易に配置出来るため、簡単に楽譜の作成(入力作業)ができる。したがって、教師のみならず点字の知識を持たない者でも十分に対応でき、その結果、入力作業のボランティアを新しく開拓できる。
(2)利用者である視覚障害者にとっては、パソコンに組み込まれている音源機能を活用して、各種の楽譜に対応した電子演奏(楽器の選択も任意)に聴くことが可能であり、さらにその点字楽譜をピンディスプレイにも出力出来るため、同時に音(演奏)と文字(点字楽譜)の両方のメディアにより学習が出来る。
(3)教師の教育意図に即した楽譜教材が容易に作れると共に、ピンディスプレイを備えていることから、教師は教えたい内容に即した音符などを適宜生徒の前で容易に入力でき、生徒はリアルタイムで翻訳された点字楽譜を触診・判断できることから、極めて高い教育効果が期待できる。
(4)数々の曲をディスク・ファイルで管理できるため、曲の蓄積・検索・演奏・点字出力が極めて容易であり、かつ、他の教師が作成した楽譜教材をファイル交換することで容易に活用できる。