1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07680282
|
Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
福田 隆眞 山口大学, 教育学部, 助教授 (00142761)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
入江 和夫 山口大学, 教育学部, 助教授 (40263751)
野波 健彦 山口大学, 教育学部, 教授 (20116742)
金田 道和 山口大学, 教育学部, 教授 (50036365)
|
Keywords | 国際理解 / 国際交流 / 異文化理解 |
Research Abstract |
本研究では国際理解教育についての小・中学校での実態を調査によって明らかにし、さらに、その実態から教員養成での教育方法について検討し、教材研究を試みた。 実態調査は山口、広島、福岡の各県の全小・中学校の半数を無作為抽出によって選び、国際理解教育の必要性と推進する教科を明らかにした。国際理解教育の必要性については、小・中学校の90%近くが必要性を認識している。また、国際理解教育を実施するにあったっては、小学校では社会科、国語、道徳、特別活動、音楽などの教科によって推進が可能とし、中学校では社会科、英語、国語の各教科によって推進可能としている。小・中学校で実施するにあたり、問題点となるのは、(1)教員の資質不足、(2)教員の認識・経験不足、(3)教材・資料の不足などがあげられる。 こうした現状に対して、教員養成での国際理解教育の対応のために、全教科、領域において国際理解、異文化理解の内容を補完する、総合的な教科として国際理解の教科を新設する、現職教員の再教育などが方法として考えられる。 さらに、国際理解教育の教材研究として、英語、美術、音楽、家庭の各教科での内容の検討と教材開発を行った。英語では主に英米だけでなく広く世界の諸国を対象とした異文化理解の教材の導入が必要であり、美術・音楽の芸術教育では各民族の伝統文化の理解と現代的な内容の調和をはかることが必要とされた。また、家庭科ではアメリカのように多民族国家での共通理解のために、家庭科の教育内容を現行のものより、より社会性に富んだ教材を設定する必要があるとの結論が得られた。
|
Research Products
(5 results)
-
[Publications] 金田道和,福田隆眞: "教員養成における国際理解教育の必要性" 山口大学教育学部教育実践研究指導センター研究紀要. 第6号. 139-150 (1995)
-
[Publications] 福田隆眞: "新しい教育課程と美術科教育の役割" 日本教科教育学会誌. 18. 51-56 (1995)
-
[Publications] 福田隆眞: "異文化理解としての美術科教科書研究ーシンガポール共和国の教科書を例として-" 日本教科教育学会誌. 19. (1995)
-
[Publications] 入江和夫: "アメリカの中学校家庭科教科書に関する一考察" 山口大学教育学部教育実践研究指導センター研究紀要. 第7号. 157-170 (1996)
-
[Publications] 福田隆眞: "中学校美術科における題材の分析と学習内容" 山口大学教育学部教育実践研究指導センター研究紀要. 第7号. 195-221 (1996)