1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07680288
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Research Institution | KUMAMOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
佐藤 成哉 熊本大学, 教育学部, 助教授 (60109626)
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Keywords | 環境教育 / 水質分析 / 酸性雨 / 大気汚染 / チッ素酸化物 / 自然の浄化 / 緩衝能 / 微生物分解 |
Research Abstract |
《課題I 河川・雨水の水質分析-平成2年度より継続調査-》 (1)酸性雨の観測地点を新たに増設(水俣)し、雨水の酸性度を測定した結果、熊本(降雨確率94%,最低3.6,平均4.4)、天草(57%,3.8,5.3)、水俣(79%,3.8,4.5)となり、酸性雨の地域性を明確にすることが出来た。(海岸域の雨水のpHは比較的高い)。また、過年度との比較により、「水環境の悪化」も再確認できた。 (2)雨水の酸性度と亜硝酸:大気中の亜硝酸濃度は、(1)夏よりも冬(2)昼よりも夜(3)晴天が続けば続くほど高い数値が、一方(4)降雨後には急激な数値の減少が認められた。 《課題II 亜硝酸ガスの植物生育への影響》 0.02ppm以下の亜硝酸ガス濃度ならば、カイワレ大根の発芽・生長には影響しないことがわかった。 《課題II 自然の自浄作用》 (1)土壌の緩衝・吸着能:土壌の種類によってかなり結果が異なった。Al^<3+>の溶出は土壌の酸性化を抑制しており、90gの土壌に250mlの硝酸(pH1)を流してもpH4.9にしかならなかったし、得られた溶離液はカイワレ大根の発芽・生長に何ら影響を与えなかった。一方、土壌は植物の生育に影響を与える金属(銅や亜鉛)はあまり吸着しないし、土壌の酸性化が吸着能に顕著な影響を与えることもわかった。 (2)土壌の微生物:EM菌は、微生物の働き(腐敗・分解)を学校現場で観察させるのに有効であった。 (3)樹木の浄化能:樹木(の葉)は大気中の亜硝酸ガスを吸収・浄化していることがわかったが、大気汚染指標として活用するための「葉」を決定するまでには至っておらず、現在継続研究中である。
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